英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
第44話 愛する人のために(5)
「……なんだと?」
「おいアレクシア、おまえ……!」
「話が逸れてしまいました。これ以上の議論は無意味でしょうから、もう結構です。わたしは公国の要求に従おうと思います」
開き直ったわたしの投降宣言に、ルシウス様が焦りを見せた。
「アレクシア! いったいなにを……」
顔色を変えて前に出てこようとする彼を、駆け寄った兵士が必死に押しとどめている。
(ルシウス様……短い間でしたが、あなたと巡り合えて幸せでした)
そう決心したはずなのに、内心では未練がましくもがく自分がいて、心が引き裂かれそうだ。
「おいアレクシア、おまえ……!」
「話が逸れてしまいました。これ以上の議論は無意味でしょうから、もう結構です。わたしは公国の要求に従おうと思います」
開き直ったわたしの投降宣言に、ルシウス様が焦りを見せた。
「アレクシア! いったいなにを……」
顔色を変えて前に出てこようとする彼を、駆け寄った兵士が必死に押しとどめている。
(ルシウス様……短い間でしたが、あなたと巡り合えて幸せでした)
そう決心したはずなのに、内心では未練がましくもがく自分がいて、心が引き裂かれそうだ。