英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
第7話 もうひとつのベッドルーム(1)
よく見ると、ベッドルームの奥まったところにもうひとつ扉がある。寝具などをしまう場所かと思っていたが、違うのだろうか。
(このままじゃ気になって寝られないわ。誰かが隠れていたら嫌だし……)
確認しておこうと身を起こし、ベッドから下りた。
ドアの前に立って、じっと耳を澄ませる。ノブに手を置き、そっと回してみると、鍵はかかっていないようだ。思い切って、そのまま「えいっ」と押し開く。すると、
(……?)
扉の向こうには、意外にも広い空間が広がっていた。
ランプの火は落とされて、室内は暗く静まり返っている。窓から差し込む月明りに照らされた部分だけが浮き上がり、光の当たらない場所は闇に沈んでなにも見えない。
暗がりの中でも、そこが寝室だということはすぐにわかった。アレクシアの部屋と同じレイアウトで、より大きな天蓋つきのベッドが目の前に置かれていたからだ。
(このままじゃ気になって寝られないわ。誰かが隠れていたら嫌だし……)
確認しておこうと身を起こし、ベッドから下りた。
ドアの前に立って、じっと耳を澄ませる。ノブに手を置き、そっと回してみると、鍵はかかっていないようだ。思い切って、そのまま「えいっ」と押し開く。すると、
(……?)
扉の向こうには、意外にも広い空間が広がっていた。
ランプの火は落とされて、室内は暗く静まり返っている。窓から差し込む月明りに照らされた部分だけが浮き上がり、光の当たらない場所は闇に沈んでなにも見えない。
暗がりの中でも、そこが寝室だということはすぐにわかった。アレクシアの部屋と同じレイアウトで、より大きな天蓋つきのベッドが目の前に置かれていたからだ。