英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
第11話 レオパルド邸の秘密(3)
*
不慣れな環境への戸惑いは数日で落ち着きを見せ、部屋にある備品を自分のものとして使うことに遠慮がなくなった。
領主夫人のために用意されたクローゼットルームは、いつ見ても目が眩むほど煌びやかで、贅沢さに溢れている。
(どれも高そうなドレスばかり! だけどこっちはスケスケ、あっちは切り込みが際どくて……どうしたらいいの!?)
何十枚とあるドレスの中から、一番シンプルなワンピースを選んで身に着ける。オフショルダーで心もとない部分はショールを羽織る形で調整して、と。
派手なドレスになるほど着るのに他人の手助けを必要とするから、アレクシアがひとりで身支度を整えるのは大変だっただろう。部屋つきのメイドをはずすという処遇は、実は彼女にとって大きな罰だったのかもしれない。
着替えたあと勝手をするのはまだ気が引けるため、おとなしく部屋にあった書物に読みふけっていると、しばらくして扉をノックする音がした。
不慣れな環境への戸惑いは数日で落ち着きを見せ、部屋にある備品を自分のものとして使うことに遠慮がなくなった。
領主夫人のために用意されたクローゼットルームは、いつ見ても目が眩むほど煌びやかで、贅沢さに溢れている。
(どれも高そうなドレスばかり! だけどこっちはスケスケ、あっちは切り込みが際どくて……どうしたらいいの!?)
何十枚とあるドレスの中から、一番シンプルなワンピースを選んで身に着ける。オフショルダーで心もとない部分はショールを羽織る形で調整して、と。
派手なドレスになるほど着るのに他人の手助けを必要とするから、アレクシアがひとりで身支度を整えるのは大変だっただろう。部屋つきのメイドをはずすという処遇は、実は彼女にとって大きな罰だったのかもしれない。
着替えたあと勝手をするのはまだ気が引けるため、おとなしく部屋にあった書物に読みふけっていると、しばらくして扉をノックする音がした。