ここまでコケにされたのだから、そろそろ反撃しても許されますわよね?
第40話 どちらさま?
見つめ合ったまま、ポールとアンドレアはしばらくその場で固まっていた。
アンドレアもまさかポールが直接出張ってくるとは思っていなかったのだろう。
「アン……ドレア……」
呟いてポールは大きく目を見開いた。
興奮した様子で、鼻息荒くアンドレアに詰め寄ってくる。
「アンドレア!」
「あ、あの、どちらさま……?」
「そうか、アンドレアは生きていたのだな! そうか、そうか、それならばちょうどよかった! 今すぐシュナイダー家に帰るぞ! お前の手で即刻領政を立て直すんだ!!」
乱暴な手つきで二の腕を掴み、ポールはアンドレアを強引に連れて行こうとした。
「いやっ、怖い!」
ポールの腕を振り払い、アンドレアはエドガーの元に駆け寄った。
「エドガー、この乱暴な人は一体だぁれ?」
目元にうっすらと涙を浮かべ、震える指先がエドガーのシャツをぎゅっと握りしめてくる。
およそ普段のアンドレアが絶対に言わなそうな言葉と、絶対にしなさそうな庇護欲をそそる上目遣いだ。
(これはこれでいいな……)
そんな明後日のことを思いながら、エドガーはアンドレアの細い腰をやさしく抱き寄せる。
困惑気味だったポールは、すぐに苛ついた顔をした。
「アンドレア、何を言っているんだ? シュナイダー領がたいへんなことになっているんだぞ? ふざけていないで早くこちらに来い」
近づこうとするポールの前に、エドガーはさりげなく立ちはだかった。
「お待ちください、シュナイダー公爵。彼女はわたしの妻のアンジェです」
「は……? 貴様は何を言っているんだ?」
ぽかんとしてポールはアンドレアをまじまじと見た。
アンドレアもまさかポールが直接出張ってくるとは思っていなかったのだろう。
「アン……ドレア……」
呟いてポールは大きく目を見開いた。
興奮した様子で、鼻息荒くアンドレアに詰め寄ってくる。
「アンドレア!」
「あ、あの、どちらさま……?」
「そうか、アンドレアは生きていたのだな! そうか、そうか、それならばちょうどよかった! 今すぐシュナイダー家に帰るぞ! お前の手で即刻領政を立て直すんだ!!」
乱暴な手つきで二の腕を掴み、ポールはアンドレアを強引に連れて行こうとした。
「いやっ、怖い!」
ポールの腕を振り払い、アンドレアはエドガーの元に駆け寄った。
「エドガー、この乱暴な人は一体だぁれ?」
目元にうっすらと涙を浮かべ、震える指先がエドガーのシャツをぎゅっと握りしめてくる。
およそ普段のアンドレアが絶対に言わなそうな言葉と、絶対にしなさそうな庇護欲をそそる上目遣いだ。
(これはこれでいいな……)
そんな明後日のことを思いながら、エドガーはアンドレアの細い腰をやさしく抱き寄せる。
困惑気味だったポールは、すぐに苛ついた顔をした。
「アンドレア、何を言っているんだ? シュナイダー領がたいへんなことになっているんだぞ? ふざけていないで早くこちらに来い」
近づこうとするポールの前に、エドガーはさりげなく立ちはだかった。
「お待ちください、シュナイダー公爵。彼女はわたしの妻のアンジェです」
「は……? 貴様は何を言っているんだ?」
ぽかんとしてポールはアンドレアをまじまじと見た。