ここまでコケにされたのだから、そろそろ反撃しても許されますわよね?
第43話 裁き
日も差さない地下牢に閉じ込められて、ポールは怒りに震えていた。
(この俺がこんな辱めを受けるなど……!)
寒々しい陰気な部屋。質素で硬い寝台。常に見張られている監視の目。
囚われて数日、何もかもが恥辱的で気がおかしくなりそうになっていた。
「出ろ。これから国王様による裁きがある」
枷をつけられ連行される。
たどり着いた部屋の前で、ここが王の謁見室だとポールには分かった。
目の前で重厚な二枚扉が開け放たれたとき、ポールは大声で悪態をついた。
「何が国王による裁きだ! あの死にぞこないの老いぼれなど、独りで起き上がれもしないだろうに!」
「口を慎め! 王前であるぞ!」
背を押され、敷かれた絨毯の上を歩かされる。
両脇にずらりと並ぶ王立軍の騎士たち。
その先の玉座には、ひとりの男が座っていた。
「お……爺さ……ま……」
悠然と足を組み、ひじ掛けに頬杖をついている祖父が、眼光鋭くポールを見下ろしている。
ポールは震えあがった。
屈強な騎士の手で無理やり跪かされるも、呆然自失の状態でされるがままだ。
(なぜお爺様が……!?)
見舞いで会った日の祖父は、醜くやせ細りまさに死にかけの状態だった。
しかし今玉座に座っているのは、ポールが昔から知る祖父そのものだ。
身が竦むほどの威厳に溢れ、九十を越えているとは思えない精悍な体つきをしていた。
「ポールよ、何を驚く? わしが健在で不都合でもあると申すか?」
「……もしかして見舞いに行ったとき、俺を騙したのですか?」
「だとしたらどうする?」
表情なく言われ、ポールは声を荒げてカッとなった。
「孫の俺を欺くなど一国の王がすることですか!?」
「あのような子供騙しに惑わされた己を、情けなくは思わぬのか?」
「そんな……あまりにも理不尽なおっしゃりようです!」
(この俺がこんな辱めを受けるなど……!)
寒々しい陰気な部屋。質素で硬い寝台。常に見張られている監視の目。
囚われて数日、何もかもが恥辱的で気がおかしくなりそうになっていた。
「出ろ。これから国王様による裁きがある」
枷をつけられ連行される。
たどり着いた部屋の前で、ここが王の謁見室だとポールには分かった。
目の前で重厚な二枚扉が開け放たれたとき、ポールは大声で悪態をついた。
「何が国王による裁きだ! あの死にぞこないの老いぼれなど、独りで起き上がれもしないだろうに!」
「口を慎め! 王前であるぞ!」
背を押され、敷かれた絨毯の上を歩かされる。
両脇にずらりと並ぶ王立軍の騎士たち。
その先の玉座には、ひとりの男が座っていた。
「お……爺さ……ま……」
悠然と足を組み、ひじ掛けに頬杖をついている祖父が、眼光鋭くポールを見下ろしている。
ポールは震えあがった。
屈強な騎士の手で無理やり跪かされるも、呆然自失の状態でされるがままだ。
(なぜお爺様が……!?)
見舞いで会った日の祖父は、醜くやせ細りまさに死にかけの状態だった。
しかし今玉座に座っているのは、ポールが昔から知る祖父そのものだ。
身が竦むほどの威厳に溢れ、九十を越えているとは思えない精悍な体つきをしていた。
「ポールよ、何を驚く? わしが健在で不都合でもあると申すか?」
「……もしかして見舞いに行ったとき、俺を騙したのですか?」
「だとしたらどうする?」
表情なく言われ、ポールは声を荒げてカッとなった。
「孫の俺を欺くなど一国の王がすることですか!?」
「あのような子供騙しに惑わされた己を、情けなくは思わぬのか?」
「そんな……あまりにも理不尽なおっしゃりようです!」