ここまでコケにされたのだから、そろそろ反撃しても許されますわよね?
第16話 決意
「アンドレア様、危ない……!」
アンドレアはいきなりマリーに突き飛ばされた。
直後、天井から大きな塊が落下した。
ガラスが砕ける音が耳を刺す。
呆然と見やると、床にはひしゃげたシャンデリアが。
そこは先ほどまでアンドレアがいた場所だ。
その脇に足を挟まれたマリーが倒れている。
冷静な思考が働く前に、アンドレアは悲鳴を上げた。
「マリー……!」
「アンドレア様……お怪我は……ございませんか……?」
「わたくしは何ともないわ。それよりもマリー、あなたは」
「よかった……アンドレア様が……ご……無事……で……」
「マリー!! 誰かっ! 誰か早く来て……!」
騒然となった屋敷で、救助されたマリーが運ばれていく。
冷静さを欠いたまま、アンドレアもそれにつき添おうとした。
階段の上から、くすくすと誰かが嗤う声がする。
無意識に仰ぎ見て、アンドレアはそこにいたライラと目が合った。
「あぁら、残念。お姉様は無事なのね」
見上げたまま呆然と立ち尽くす。
歪んだ笑みを残しライラは身を翻した。
(まさかあの娘が……?)
証拠のない状況下で、行き場のない怒りがどうしようもなく湧き上がる。
その夜アンドレアは、ずっと開けられないでいた壁の聞き耳の穴を自らの手で開いた。
今回ばかりは看過できない。どうしても確証が欲しかった。
息をひそめ耳を澄ませる。
ほどなくして開かれた壁の穴から、ふたりの会話が聞こえてきた。
「ほんと、残念だわ。あと少しだったのに」
「おいおい、アンドレアに何かあっては困るじゃないか」
「ちょっと痛い目を見ればいいと思っただけよ。わたしは何も殺せだなんて指示してないわ」
アンドレアはいきなりマリーに突き飛ばされた。
直後、天井から大きな塊が落下した。
ガラスが砕ける音が耳を刺す。
呆然と見やると、床にはひしゃげたシャンデリアが。
そこは先ほどまでアンドレアがいた場所だ。
その脇に足を挟まれたマリーが倒れている。
冷静な思考が働く前に、アンドレアは悲鳴を上げた。
「マリー……!」
「アンドレア様……お怪我は……ございませんか……?」
「わたくしは何ともないわ。それよりもマリー、あなたは」
「よかった……アンドレア様が……ご……無事……で……」
「マリー!! 誰かっ! 誰か早く来て……!」
騒然となった屋敷で、救助されたマリーが運ばれていく。
冷静さを欠いたまま、アンドレアもそれにつき添おうとした。
階段の上から、くすくすと誰かが嗤う声がする。
無意識に仰ぎ見て、アンドレアはそこにいたライラと目が合った。
「あぁら、残念。お姉様は無事なのね」
見上げたまま呆然と立ち尽くす。
歪んだ笑みを残しライラは身を翻した。
(まさかあの娘が……?)
証拠のない状況下で、行き場のない怒りがどうしようもなく湧き上がる。
その夜アンドレアは、ずっと開けられないでいた壁の聞き耳の穴を自らの手で開いた。
今回ばかりは看過できない。どうしても確証が欲しかった。
息をひそめ耳を澄ませる。
ほどなくして開かれた壁の穴から、ふたりの会話が聞こえてきた。
「ほんと、残念だわ。あと少しだったのに」
「おいおい、アンドレアに何かあっては困るじゃないか」
「ちょっと痛い目を見ればいいと思っただけよ。わたしは何も殺せだなんて指示してないわ」