執拗に愛されて、愛して
7 Jealousy
 しばらく経った頃、私と雅の関係性は続いていた。時々泊まりに来て、私も時々バーに通って付き合う前と特に今の所変わりはない。

 だけど最近すごく気になっている事がある。


「最近付き合い悪いよね、雅。」


 そんな会話がバーに入る客から聞こえてくる。カウンターに座っていると、そんなに遠くもないから耳をすませば会話はよく聞こえてくる。


「元からそんな遊んでた記憶ねぇけどな、クラブまだ行ってんの?」


 なんとなく聞きたくもない会話を聞いてしまっている。仮にも一応彼氏の遊んでた話なんて、誰も聞きたくはない。それなのに気になって聞いてしまうの何故なのだろう。


「最近家にも来てくれないしつまんない。」


 甘える様な声で言っている見た目が可愛い女の子。

 へぇ、その子の家行ってたんだ、ナニしてたんだか。とか、ああやって言える方が可愛いよな、そりゃ。とか、とことん可愛くない私の思考。

 別に嫉妬しているとかそういう訳ではなく、単純に疑問なのだ。ああいう可愛らしい女性ではなく、私みたいな気の強い女を選ぶ雅が何を考えているのか。

 私が男性でも、あの女性と私を隣に並べられたら、間違いなくあの女性を選ぶ。
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