執拗に愛されて、愛して
15 Daily life
私の1日は朝から始まっている。
私の、というか、大抵の人の1日は普通朝から始まるはずだと思っていた。そうではない人間も居るのだと知ったのは、一緒に住んでいて、今は綺麗な顔して眠っているこの男がまさしく夜の仕事の人間だったからだ。
化粧も終わって、会社に行く準備が整って、少し時間があったからその男の顔を見ていた。
この綺麗な顔をした男は、私の旦那だ。よくホストと見られがちだけども、バーテンダーである。平日は深夜2時頃に帰ってきて、眠るのは深夜3時頃。まだ眠ってから5時間程なので気持ち良さそうに眠っている。
私が黒崎になってから半年程経つのだけど、結婚する前から飽きずにこの男の顔を眺め続けている。本当に会話をする度に、顔に騙されたと思っているけど、この顔を見る度にそれでもいいかもなんて結局騙されてしまう。
性格はとてもいいと言えない、酒好きでヤニ好きの元クラブ通いの女性好きのクズだったのだから、結婚相手にどうしたら誤って選ぶのだろうと思うけど、原因はこの顔だった。このご尊顔は私のまともであるはずの思考も狂わせて来るらしい恐ろしい男だ。
「本当、この顔を見るために毎日生きてる気がする…。」
そう独り言を言いながら雅の柔らかい髪を撫でる。毎朝少し早起きして準備して、こうして雅の近くに居るのが幸せだったりもする。
「…何してんの。」
手首を急に掴まれ、驚くと雅が少しだけ顰め面をしながらこちらを見ていた。その顔ですら本当に良いから困りものだ。
私の、というか、大抵の人の1日は普通朝から始まるはずだと思っていた。そうではない人間も居るのだと知ったのは、一緒に住んでいて、今は綺麗な顔して眠っているこの男がまさしく夜の仕事の人間だったからだ。
化粧も終わって、会社に行く準備が整って、少し時間があったからその男の顔を見ていた。
この綺麗な顔をした男は、私の旦那だ。よくホストと見られがちだけども、バーテンダーである。平日は深夜2時頃に帰ってきて、眠るのは深夜3時頃。まだ眠ってから5時間程なので気持ち良さそうに眠っている。
私が黒崎になってから半年程経つのだけど、結婚する前から飽きずにこの男の顔を眺め続けている。本当に会話をする度に、顔に騙されたと思っているけど、この顔を見る度にそれでもいいかもなんて結局騙されてしまう。
性格はとてもいいと言えない、酒好きでヤニ好きの元クラブ通いの女性好きのクズだったのだから、結婚相手にどうしたら誤って選ぶのだろうと思うけど、原因はこの顔だった。このご尊顔は私のまともであるはずの思考も狂わせて来るらしい恐ろしい男だ。
「本当、この顔を見るために毎日生きてる気がする…。」
そう独り言を言いながら雅の柔らかい髪を撫でる。毎朝少し早起きして準備して、こうして雅の近くに居るのが幸せだったりもする。
「…何してんの。」
手首を急に掴まれ、驚くと雅が少しだけ顰め面をしながらこちらを見ていた。その顔ですら本当に良いから困りものだ。