執拗に愛されて、愛して
17 Happiness
 ある日の休みだった。今日は少しだけ早く起きて、家事を早めに終わらせた。

 最近の私も金曜日の次の日とかは昼まで寝てしまう事も多かったのだけど、昨日は早めに休んで早起きをした。

 仕事も少し忙しかったのもあって、ようやく落ち着いてきたから早めに休んで体力を回復させたのだけど、奴は相変わらず仕事だから今もぐっすり眠っている。

 私と雅の生活リズムが違うから、全然今更気になんてしないけど、こんな土曜日とかはやっぱり一緒に出掛けたいなと思う日もある。1人で出掛けたってつまらないが、流石に忙しい土曜日に連れ回す程私も鬼じゃない。

 リビングの掃除機を掛けたりしていると、寝室のドアが開いてふと顔を向ける。珍しく雅が早めに起きてきて、そのままソファーに倒れ込むように座る。


「珍しく早いのね。」

「別に。気分。」


 今更知ってるわよ、あんたが気分屋な事くらい。なんて言葉は喉元で止まって引っ込んだ。

 この男は本当猫みたいな人間で、気まぐれで面倒臭い。
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