執拗に愛されて、愛して
22 My darling child
 その大きな喧嘩の半年後、男の子が私と雅の元に来た。

 現在は妊娠して、6カ月。

 安定期にも入っていて性別も分かり、仕事も無理しない程度には行けていて…。

 タイミングは、正直いつ…と思っていたけど、雅が私の仕事の事を考えてくれたのもあって、子供はまだ、タイミングが合えばなんて思っていた。それが急に来たタイミングだったけど意外と喜んでくれて、うちの両親も大喜びだった。

 『孫に会える~!』なんて電話の奥で言っていたのを覚えている。お義母さんは落ち着いた様子で『おめでとう』だったのに、うちの両親ははしゃいでいて恥ずかしすぎる。

 雅は「夏帆も両親もぶれないよな、色々と」と電話の奥の両親の声を聞いて言っていたのを思い出したけど、ぶれないって、何の話か分からなかった。

 妊娠中は結構ホルモンバランスの崩れとかもあって上手く行かないことはありつつも、何とかうまくやっていた。うまくやっていたと言ってもほぼそれも雅のお陰だったような気もする。

 家事とか負担してくれていたのもあるし、あれほど好きだったお酒を止めていつでも動けるようにしてくれていたし、雅の意識が全然違っていて、常に私の事を気遣う過保護男子に変化してしまった気がする。

 一番驚いたのはそんな雅が育休を取るつもりでいてくれた事。それに合わせて玲くんもバイトを雇って万全な状態を作ってくれていた。
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