執拗に愛されて、愛して

4 Relationship repair

「…もしもし、私だけど。」

『あ？』


　電話相手はもう声も聞きたくないはずの雅。休日の昼間、起こされて不機嫌な雅の声が聞こえる。


「ムカつく事にあんたしかついに頼めなさそうなのよね。」


　お見合いのお断りの為に、仮の恋人になって欲しいと言っていた件だ。

　あれから一緒に実家に行く話は流していたのだけど、うちの母親が父の繋がりで相手を本格的に探し始めてしまって、これはもう四の五の言ってられないなと、声を掛けた。

　今は雅の顔を見るよりも、お見合いの方が無理。


『ああ、言ってたやつね。行ってもいいけど何してくれる？抱かせてくれる？』

「…ああ、もういっそ玲くんにお願いしようかな。」

『はあ？無しだろ、玲だけは。』


　玲くん、割と有りでは？ご迷惑かけちゃうけど。と、真剣にそんな事を考え始める。

　反省もせずに抱かせてくれる？なんて発言をしてくる雅に本気で呆れるし、他に相手がいるなら絶対に頼みたくない。

　だけど残念ながら、どう考えても適役は雅以外にいなかった。