副業家政婦の仕事に『元彼社長からの溺愛』は含まれていないはずなのに
02 もう一つの秘密
「すみません、遅くなりました……!」
雑居ビルの三階にある、随分とファンシーな絵が描かれた扉を開く。
ひまわり夜間託児所と描かれた扉を開けると、部屋の奥で先生と一緒に絵を描いていた紬が、私を見るなりパァッと表情を明るくした。
「ママ!」
「ごめんねぇ、紬。今日はいつもより遅くなっちゃった」
持っていた色鉛筆をおき、とてとてと走ってきては右足にギュッと抱きついてきた紬の頭を撫でる。
紬は手を伸ばすと、早く抱き上げろと言わんばかりに「ママー」と声を上げた。
「はいはい。まずは、帰る準備と先生にご挨拶」
「はーい!」
小さな手をピンと伸ばして、紬が壁のフックに掛けているピンク色のリュックサックを取りに行く。
私は部屋の奥へ上がると、連絡帳を書いている藍沢先生のもとへ向かった。
「今日もありがとうございます」
「いえいえ。いつも遅くまで大変ですね」
「紬の様子はどうでしたか?」
「今日もお利口さんでしたよ。今日は一生懸命、絵を描いていたようで」
色鉛筆を片付け、リュックを背負った紬が、さっきまで描いていたらしい絵を持って、私のところまでやってくる。
先生が言うように、今日は絵を描くのにハマっていたようで、画用紙にはイルカと紬、そして私らしき人物が描かれていた。
雑居ビルの三階にある、随分とファンシーな絵が描かれた扉を開く。
ひまわり夜間託児所と描かれた扉を開けると、部屋の奥で先生と一緒に絵を描いていた紬が、私を見るなりパァッと表情を明るくした。
「ママ!」
「ごめんねぇ、紬。今日はいつもより遅くなっちゃった」
持っていた色鉛筆をおき、とてとてと走ってきては右足にギュッと抱きついてきた紬の頭を撫でる。
紬は手を伸ばすと、早く抱き上げろと言わんばかりに「ママー」と声を上げた。
「はいはい。まずは、帰る準備と先生にご挨拶」
「はーい!」
小さな手をピンと伸ばして、紬が壁のフックに掛けているピンク色のリュックサックを取りに行く。
私は部屋の奥へ上がると、連絡帳を書いている藍沢先生のもとへ向かった。
「今日もありがとうございます」
「いえいえ。いつも遅くまで大変ですね」
「紬の様子はどうでしたか?」
「今日もお利口さんでしたよ。今日は一生懸命、絵を描いていたようで」
色鉛筆を片付け、リュックを背負った紬が、さっきまで描いていたらしい絵を持って、私のところまでやってくる。
先生が言うように、今日は絵を描くのにハマっていたようで、画用紙にはイルカと紬、そして私らしき人物が描かれていた。