副業家政婦の仕事に『元彼社長からの溺愛』は含まれていないはずなのに
04 予想外の鉢合わせ
彼からの指名を正式に受けた次の日、私は本業先の広告代理店の会議室で頭を抱えていた。
(うそ……! なんで彼がこんなところに!?)
明日の三時から、新しいプロジェクトの打ち合わせに参加してほしいと頼まれたのが昨日のことである。
ちょうど、大きな案件をひとつ終えたばかりだった私は二つ返事で上長からの申し出を受け入れた。
そうして今日の朝、資料が直前になってしまってすみませんと謝りながら後輩から手渡された資料を見て、私は絶句した。
その資料の、会社プロフィール欄に彼の名前が書かれていたからである。
同姓同名の人かと思ったけれど、その淡い期待は見事に打ち砕かれた。
打ち合わせ時刻の五分前にやってきた御手洗慎也は、私が想像する御手洗慎也そのものだった。
「はじめまして。御手洗と申します」
礼儀正しくお辞儀をし、名刺を差し出す彼に、引き攣った頬が戻りそうにない。
私はなんとか笑顔を貼り付けたまま名刺を交換すると、どうぞお掛けくださいと、椅子に座るよう促した。
(うそ……! なんで彼がこんなところに!?)
明日の三時から、新しいプロジェクトの打ち合わせに参加してほしいと頼まれたのが昨日のことである。
ちょうど、大きな案件をひとつ終えたばかりだった私は二つ返事で上長からの申し出を受け入れた。
そうして今日の朝、資料が直前になってしまってすみませんと謝りながら後輩から手渡された資料を見て、私は絶句した。
その資料の、会社プロフィール欄に彼の名前が書かれていたからである。
同姓同名の人かと思ったけれど、その淡い期待は見事に打ち砕かれた。
打ち合わせ時刻の五分前にやってきた御手洗慎也は、私が想像する御手洗慎也そのものだった。
「はじめまして。御手洗と申します」
礼儀正しくお辞儀をし、名刺を差し出す彼に、引き攣った頬が戻りそうにない。
私はなんとか笑顔を貼り付けたまま名刺を交換すると、どうぞお掛けくださいと、椅子に座るよう促した。