副業家政婦の仕事に『元彼社長からの溺愛』は含まれていないはずなのに
06 彼からのキス
「ねぇ、ママ。またおっきなおうちにいくの?」
夜、いつものように家政婦の仕事をしに行く準備をしていると、紬から「わたしもいきたい!」とせがまれた。
どうやら仕事の一環で彼の家に行っていることに気付いたらしく、紬が期待に満ちた目で私を見てくる。
この前行った大きなお家=私の仕事先であると気付いたのは、私が毎回彼の家から帰ってくるたびにおもちゃやお菓子を持って帰ってくるからだろう。
毎度、断りを入れているのに、紬に持っていってほしいと頼まれて、捨てるわけにもいかないため、紬に渡していたのだ。
紬もなんとなく、それをくれる相手がこの前遊びに行った家の人だと勘づいたらしく、最近はいつも行きたいとせがまれる。
どうしたものかと困っていると、いつもは我が儘を言っても泣き出すことがない紬なのに、今日はとうとう泣き出してしまった。
「つむぎもいくーー!!」
「わかった。わかったから……!」
お気に入りのイルカのぬいぐるみを握らせ、最近では新たに仲間入りしたクジラやうさぎ、ネコのぬいぐるみも鞄に詰めて、紬と共に家を出る。
今日は託児所の利用をお休みすることを連絡し、私は紬を連れて彼の家へ向かった。
夜、いつものように家政婦の仕事をしに行く準備をしていると、紬から「わたしもいきたい!」とせがまれた。
どうやら仕事の一環で彼の家に行っていることに気付いたらしく、紬が期待に満ちた目で私を見てくる。
この前行った大きなお家=私の仕事先であると気付いたのは、私が毎回彼の家から帰ってくるたびにおもちゃやお菓子を持って帰ってくるからだろう。
毎度、断りを入れているのに、紬に持っていってほしいと頼まれて、捨てるわけにもいかないため、紬に渡していたのだ。
紬もなんとなく、それをくれる相手がこの前遊びに行った家の人だと勘づいたらしく、最近はいつも行きたいとせがまれる。
どうしたものかと困っていると、いつもは我が儘を言っても泣き出すことがない紬なのに、今日はとうとう泣き出してしまった。
「つむぎもいくーー!!」
「わかった。わかったから……!」
お気に入りのイルカのぬいぐるみを握らせ、最近では新たに仲間入りしたクジラやうさぎ、ネコのぬいぐるみも鞄に詰めて、紬と共に家を出る。
今日は託児所の利用をお休みすることを連絡し、私は紬を連れて彼の家へ向かった。