白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

62 あと少し

 父はいつものように執務室の椅子に深く腰掛けながら眉間にシワを寄せていた。
 立て続けに急用をお願いした上に、大した売り上げも上がってはいない。

 怒りの原因はそのためだろう。
 分かりやすいというか、なんというか。
 ホント、この人は死ぬまで変わらなさそうね。

「なんだ、あの注文は!」

 父は私を睨みつけたまま、机を強くたたく。
 その勢いで、上に載っていた書類たちがいくつか床に落ちた。

 私はそれを拾い上げながら、ゆっくりと父へ近づいた。

「今貴族のマダムたちの間でロースヒップティーが流行り出したんです。そのため、お父様には隣国よりアレを取り寄せていただいた次第ですわ」

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