白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

63 いつかの備えも

 私はいくつかのアンジェラのバラの実を袋に詰め込むと、あらかじめもう一通送っておいた手紙の主の元へ。

 待ち合わせ場所は最悪だった。
 私が知らないだろうといいことに、彼の所属するギルドの本部だったのだから。

 表向きはただの裏路地の奥にある酒場。
 だけど私は父の話を聞いたことがあるから、よく知っている。

 それでも忙しい自分に会いたいのなら、ここへ来いという横暴さだ。
 まったく、こっちの目的も知らないで。

 そう文句が口から出そうになりながらも、私は薄汚い酒場のドアを開けた。

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