白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

71 幸せ過ぎる時間

 薄紫の長めのワンピースには裾いっぱいに白いレースの刺繍が施されていた。
 そしてウエスト部分にやや太めのリボンがあり、その端は地面ギリギリまで伸びている。

 ミーアたちが朝から張りきったおかげで、髪はゆるく後ろで編み込まれているし、いつになく化粧もバッチリだ。

 いつもなら外へ出かける時は深くフードを被っていたから、なんだか落ち着かない。
 この髪色を見たら、誰もが私だと気づいてしまうというのに、ミーアたちは大丈夫だと言い切っていたっけ。

 父の悪評だけが流れ、確かに今の私は悲劇のヒロインらしいけれど、それでもね。

 ちょっと目立ちすぎじゃないかしら。
 このワンピースだってブレイスから贈られたものとはいえ、すごく私にしては派手だし。

 待ち合わせ時間よりやや早くカフェに着いてしまった私は、一人そんな自問自答を繰り返していた。

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