白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

72 行違った思いの先

 しかし衝撃は一つではなかった。
 体当たりしてきた人の体が私に覆いかぶさるとほぼ同時に、さらにその上から突き出されるような衝撃が加わる。

「なんなの⁉」

 茶色いマントを被り、覆いかぶさった人の顔は見えない。
 しかし崩れたその人の先にいる人物の顔は、はっきりと見えた。

 もう一つの衝撃。
 それは、ナイフを持ったダミアンがもたらしたものだった。

「ダミアン……様」

 震える彼の手にあるナイフには、べったりと血のりが見える。
 滴り落ちるその血を、ダミアンは青ざめた顔で見ていた。

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