Reunion love.
Epilogue
「いらっしゃーい!」

「お、お邪魔します!」


 今日は招待を受けて、及川さんのお宅に太一くんと2人で来ていた。及川さんは今妊娠中で、過保護な夫が居るから1人で外に出るとうるさいから、我が家で会えないかと言われ、今に至る。

 太一くんと2人靴をそろえて、用意してもらったスリッパに足を通すと、中のリビングの方まで進む。


「本当ごめんね。来てもらって」

「過保護な旦那持つと大変っすね」


 余計な事を言う太一くんの脇腹に思い切り肘でグッと押して「全然!体調は大丈夫ですか?」と笑顔で問い掛ける。

 妊娠中色々心配になって当然だ。具合が悪くなるかもしれないし、何かあっては困ると心配性になっても仕方がない。


「何だって?真澄」


 中に入ると会話が聞こえていたのか、おそらく及川さんの旦那さんが会うなり太一くんを問い詰めて、太一くんは臆する事も無く「過保護な旦那は大変だって言ったんですよ」と再度言葉にしている。

 それから男子高校生の様なじゃれ合いをしていて、私が苦笑いしていると及川さんが「先純花ちゃんに挨拶しなさい!恥ずかしい!」と旦那さんを叱りつけている。

 そこで動きが止まると、及川さんの旦那さんは太一くんに向けていた表情とは変わって、笑顔をこちらに向ける。
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