【番外編更新】虐げられた私の身代わり婚約、そして見つけた幸せ
第37話 社交パーティ
「さて、会場へ向かおうではないか」
手を差し出されて馬車から降りた私は、公爵様の腕を取りゆっくりと歩く。
ここから私はお披露目があるまで、声を出してはならない。私が暗にエスペランサであることを公表する前に、王国信仰の者たちを炙り出す必要があるのだから。
戦場の前の静けさを破るかのように響く私たちの足音。それはまるで私を鼓舞しているかのように力強く聞こえる。
私たちは広間の扉の前に立つ。皇帝の権威を示すようにあちらこちらに繊細な金の装飾が施されている扉を見て、私は気を引き締めた。そして――。
「レオネル・エドワード・ガメス公爵閣下と、その婚約者様……ブレンダ・ホイートストン様のご入場です」
その言葉を合図に、立ちはだかっていた扉が重々しく開いた。
騒々しかった広間は、私たちの登場により一瞬で静寂に支配される。ほぼ全員が私と公爵様の歩く姿を見て、息を呑むように見つめていた。
彼らは察したのだ。公爵家が代替わりしたことに。
ディロン伯爵卿もそのことを知らなかったのか、驚愕の表情を浮かべている。しかし通り過ぎる前に意識を取り戻したらしく、私に向けて意味ありげな笑みを向けた。
彼はきっと薔薇色の未来を思い描いているのだろう。口元に浮かべているニヤついた笑みは隠せていない。私は彼に応えることなく、所定の場所へと歩いていった。
手を差し出されて馬車から降りた私は、公爵様の腕を取りゆっくりと歩く。
ここから私はお披露目があるまで、声を出してはならない。私が暗にエスペランサであることを公表する前に、王国信仰の者たちを炙り出す必要があるのだから。
戦場の前の静けさを破るかのように響く私たちの足音。それはまるで私を鼓舞しているかのように力強く聞こえる。
私たちは広間の扉の前に立つ。皇帝の権威を示すようにあちらこちらに繊細な金の装飾が施されている扉を見て、私は気を引き締めた。そして――。
「レオネル・エドワード・ガメス公爵閣下と、その婚約者様……ブレンダ・ホイートストン様のご入場です」
その言葉を合図に、立ちはだかっていた扉が重々しく開いた。
騒々しかった広間は、私たちの登場により一瞬で静寂に支配される。ほぼ全員が私と公爵様の歩く姿を見て、息を呑むように見つめていた。
彼らは察したのだ。公爵家が代替わりしたことに。
ディロン伯爵卿もそのことを知らなかったのか、驚愕の表情を浮かべている。しかし通り過ぎる前に意識を取り戻したらしく、私に向けて意味ありげな笑みを向けた。
彼はきっと薔薇色の未来を思い描いているのだろう。口元に浮かべているニヤついた笑みは隠せていない。私は彼に応えることなく、所定の場所へと歩いていった。