離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
エピローグ
新しい年を迎え、寒さが厳しくなってきた一月上旬。
昨日は休日だったため、未依はひとり近くの神社へと初詣にいった。
昨年、特に下半期は様々な出来事が起こり目まぐるしい一年だったため、できれば今年は穏やかな年になりますようにと神様にお願いしてきたのだ。
橋田は、手術の二日後には警察が選定した別の病院へ転院となった。経過は順調で麻痺などの後遺症も残らないだろうと聞いている。きっと今頃は退院しているだろう。
話ができるまでに回復した頃、警官を通じて彼から『申し訳なかった』とお詫びの言葉をもらった。
接近禁止令が出ているため未依に近寄れないというのは安心だが、きっと橋田にとって根本的な解決にはなっていない。彼自身がストーキングを繰り返してしまった自分に向き合い、積極的に治療を受けてくれたらいいなと思う。
(それから、もうひとつのお願いは律くんとも話し合わないとなぁ)
未依が日勤を終えて帰宅すると、休みだった律が出迎えてくれる。