離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました
3.見失った恋心の行方は

「意味がわからない……!」

律から思いがけない告白をされた翌日。

未依は話を聞いてもらうべく、千咲の自宅へとやって来た。

自宅といっても以前彼女が住んでいた実家ではなく、先日紆余曲折の末に結ばれた櫂のマンションだ。

一ヶ月ほど前、千咲と紬が交通事故に遭った。幸い軽症で済んだけれど、退院して以降は櫂に心配だからと懇願され、ここで暮らしているらしい。先日は須藤の両親への挨拶も済み、ようやく入籍できたと電話で報告をもらっていた。

それもあって、未依は結婚祝いを持って遊びに行くと約束をしていたのだが、本来は来週だった約束を数日早めてもらった。

今日は救急科で働く櫂も休日らしく、家に上がると少し不満げな顔をされた。

(千咲と紬ちゃんとの時間を邪魔しちゃったから、怒ってるんだろうなぁ)

申し訳ないとは思いつつも、ひとりではどうにも抱えきれない。

誰かに話を聞いてもらわないと、自宅で悶々と考えていては頭がパンクしそうだった。

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