45歳、妊娠しました
第10話 義母の笑顔
翌週末、美香と健一は義母の家を訪れた。
小柄で背筋の伸びた義母は、玄関先で二人を出迎えると、にこやかに「まあまあ、寒かったでしょう」と言いながら居間へ案内した。
しばらく世間話をしてから、健一が切り出した。
「母さん、実は……美香に赤ちゃんができたんだ」
一瞬の静寂のあと、義母の顔がぱっと明るくなる。
「まあ! 本当に? うれしいわあ!」
その声は驚きよりも喜びが先に立っていた。
「私、もう孫は結衣ちゃんだけだと思ってたのよ。まさか二人目を抱けるなんて……」
義母は目を細めて美香を見つめ、両手を包み込むように握った。
「美香さん、大変だと思うけど、無理しないでね。何でも手伝うから」
思わず胸の奥が温かくなる。
母には反対されたが、義母はこんなにも素直に喜んでくれる。
そのギャップが、少しだけ心を救ってくれた。
帰り際、義母は手編みのマフラーを美香の首に巻いた。
「冷やしちゃだめよ。お腹も心も」
車の中、健一が微笑む。
「うちの母さん、あんなに喜ぶとは思わなかった」
美香も小さく笑った。
「……私も」
小柄で背筋の伸びた義母は、玄関先で二人を出迎えると、にこやかに「まあまあ、寒かったでしょう」と言いながら居間へ案内した。
しばらく世間話をしてから、健一が切り出した。
「母さん、実は……美香に赤ちゃんができたんだ」
一瞬の静寂のあと、義母の顔がぱっと明るくなる。
「まあ! 本当に? うれしいわあ!」
その声は驚きよりも喜びが先に立っていた。
「私、もう孫は結衣ちゃんだけだと思ってたのよ。まさか二人目を抱けるなんて……」
義母は目を細めて美香を見つめ、両手を包み込むように握った。
「美香さん、大変だと思うけど、無理しないでね。何でも手伝うから」
思わず胸の奥が温かくなる。
母には反対されたが、義母はこんなにも素直に喜んでくれる。
そのギャップが、少しだけ心を救ってくれた。
帰り際、義母は手編みのマフラーを美香の首に巻いた。
「冷やしちゃだめよ。お腹も心も」
車の中、健一が微笑む。
「うちの母さん、あんなに喜ぶとは思わなかった」
美香も小さく笑った。
「……私も」