45歳、妊娠しました
第42話 保育園を探して
桜が咲き始めた春の朝。
ダイニングテーブルの上には、市役所から取り寄せた保育園のパンフレットがいくつも並んでいた。
美香はコーヒーを片手に、それを一枚ずつめくりながらため息をついた。
「定員オーバーのところが多いのよね……やっぱり待機児童って本当にあるんだわ」
隣で朝食をとっていた結衣が、顔を上げる。
「ママ、駅の近くの園はどう? 通いやすそうだし」
「そうなの。でも人気だから競争率が高いのよ」
夫の健一も資料を手に取りながら言った。
「家から近い園なら送り迎えは俺もできるぞ。仕事の前に連れて行って、帰りに迎えに行くのも、調整すれば何とかなる」
美香はふっと笑った。
「頼もしいわね。でも結衣も受験で忙しいし、あまり負担をかけたくないの」
「ううん。蓮のことは私も手伝うよ。夜泣きのとき、ちょっと抱っこしただけで泣きやんでくれると嬉しいし」
結衣が照れくさそうに言い、美香は胸が温かくなった。
週末、家族三人でいくつかの園を見学して回った。
園庭で元気に走り回る子どもたち。清潔に整えられた乳児室。優しげな保育士たち。
美香は蓮を抱きながら、その姿を自分の子どもの未来に重ねた。
「結衣が大学生になるころ、蓮はもう歩き回ってるのね」
ふと口にすると、結衣は笑いながら蓮の小さな手を握った。
「その頃には、もっとお姉ちゃんらしくなってるかもね」
美香は、45歳での子育てに不安がないわけではなかった。
けれど、こうして家族で一緒に考え、支え合いながら進めていけることが、何よりの力になっているのを感じていた。
ダイニングテーブルの上には、市役所から取り寄せた保育園のパンフレットがいくつも並んでいた。
美香はコーヒーを片手に、それを一枚ずつめくりながらため息をついた。
「定員オーバーのところが多いのよね……やっぱり待機児童って本当にあるんだわ」
隣で朝食をとっていた結衣が、顔を上げる。
「ママ、駅の近くの園はどう? 通いやすそうだし」
「そうなの。でも人気だから競争率が高いのよ」
夫の健一も資料を手に取りながら言った。
「家から近い園なら送り迎えは俺もできるぞ。仕事の前に連れて行って、帰りに迎えに行くのも、調整すれば何とかなる」
美香はふっと笑った。
「頼もしいわね。でも結衣も受験で忙しいし、あまり負担をかけたくないの」
「ううん。蓮のことは私も手伝うよ。夜泣きのとき、ちょっと抱っこしただけで泣きやんでくれると嬉しいし」
結衣が照れくさそうに言い、美香は胸が温かくなった。
週末、家族三人でいくつかの園を見学して回った。
園庭で元気に走り回る子どもたち。清潔に整えられた乳児室。優しげな保育士たち。
美香は蓮を抱きながら、その姿を自分の子どもの未来に重ねた。
「結衣が大学生になるころ、蓮はもう歩き回ってるのね」
ふと口にすると、結衣は笑いながら蓮の小さな手を握った。
「その頃には、もっとお姉ちゃんらしくなってるかもね」
美香は、45歳での子育てに不安がないわけではなかった。
けれど、こうして家族で一緒に考え、支え合いながら進めていけることが、何よりの力になっているのを感じていた。