大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
13章:今だからこそ
次の日の朝、「千紘」と呼ぶ声と、ふわりとしたキスの感触で目が覚めた。
昨夜は……途中で夕食を挟んだ以外、ほとんど抱き合っていたように思う。
身体は倦怠感で満たされているのに、頭は不思議とすっきりしていた。
私はきゅっと穂高に抱きつく。すると彼は私の額にキスを落とし、甘い声で囁いた。
「朝食を食べたら、お風呂に行こう」
「いいね」
「昨日、貸切風呂を予約しておいたんだ」
当たり前のように笑うその顔を見て、思わず『さすが用意がいい』と心の中でつぶやいた。