大好きだった元彼と再会しましたが、私はもう結婚しています。
8章:過去の私たちと今の私たち
二週間後のある夜、二人で試作データの確認を終えて、PCを閉じて立ち上がったときだった。
「桐沢」
「はい?」
「腹減ったよな。今日、帰りにどこか寄っていく?」
顔を上げた瞬間、穂高が横にいて顔がいつもより近い。
(近い……。え、いつもこんなに近かったっけ?)
ドクン、と心臓が暴走を始める。
落ち着け、落ち着け、落ち着け私。
私は慌てて三歩横にずれた。
「あ、えっと、今日は……やめておきます」
「先週もそんな感じで断ったよな。もしかして、距離置こうとしてる?」
直球で来た。なんでそういうのだけ勘がいいの!