13年後に再会した幼馴染と愛され生活始めます。
④
♦︎♢♦︎
「今日は随分と機嫌がいいな」
昼になって海堂が部屋を訪ねてきた。もう直ぐ賢吾が戻って来てくれる頃だから、自然と表情が和らいでいたようだ。
「同僚が鞄を届けてくれたんです。これでやっとスマホが使える」
海堂は特に頷きもせず、椅子に腰を下ろす。
「え、今日はどうしたんですか」
病室へ来ても座ったことなんて一度もない。なのに今日に限って長居するつもりだろうか。
監察するような眼差しを送ってしまう。
目が合い、海堂がくすりと笑ったので驚いた。
「先生って、笑えるんですね」
「まぁ、人間だからな」
「私がそんなに面白いですか」
「目を覚ました時はこの世の終わりみたいな顔をしていたけど、リラックスしてくると表情豊かだなとは思った」
「焦りは今もあります。賢吾はゆっくり休めって言ってたけど、迷惑をかけているのには変わりありませんし」
「賢吾?」
「あぁ、鞄を持って来てくれた……。唯一、心を許せる人なんです」
「恋人か?」
「違いますよ。意外と恋愛脳だったりします?」
揶揄ってみたが直ぐに黙った。海堂の表情から温度が消えた気がした。
すみません、調子に乗りました。と心の中で謝っておく。
すると海堂がいきなり「今日は昼食をここで食べよう」と言い出した。
「え、先生が? 何でですか?」
「君が、ちゃんと食べているかを確かめるためにだ」
「そんなの記録見れば分かるじゃないですか。今日は賢吾と一緒に食べるんです」
「また“賢吾”か。それは都合がいい。職場での様子を伺うとしよう」
嫌がらせとしか思えない。賢吾の名前を出した途端、表情が穏やかじゃなくなるのは何故なのか。
しかも食事に同席して、賢吾にどんな詰問を浴びせるのかと思うと気が気じゃない。
海堂は「ボサボサだな」と言いながら、さっき賢吾に掻き乱された髪を手櫛で整えた。
「今日は随分と機嫌がいいな」
昼になって海堂が部屋を訪ねてきた。もう直ぐ賢吾が戻って来てくれる頃だから、自然と表情が和らいでいたようだ。
「同僚が鞄を届けてくれたんです。これでやっとスマホが使える」
海堂は特に頷きもせず、椅子に腰を下ろす。
「え、今日はどうしたんですか」
病室へ来ても座ったことなんて一度もない。なのに今日に限って長居するつもりだろうか。
監察するような眼差しを送ってしまう。
目が合い、海堂がくすりと笑ったので驚いた。
「先生って、笑えるんですね」
「まぁ、人間だからな」
「私がそんなに面白いですか」
「目を覚ました時はこの世の終わりみたいな顔をしていたけど、リラックスしてくると表情豊かだなとは思った」
「焦りは今もあります。賢吾はゆっくり休めって言ってたけど、迷惑をかけているのには変わりありませんし」
「賢吾?」
「あぁ、鞄を持って来てくれた……。唯一、心を許せる人なんです」
「恋人か?」
「違いますよ。意外と恋愛脳だったりします?」
揶揄ってみたが直ぐに黙った。海堂の表情から温度が消えた気がした。
すみません、調子に乗りました。と心の中で謝っておく。
すると海堂がいきなり「今日は昼食をここで食べよう」と言い出した。
「え、先生が? 何でですか?」
「君が、ちゃんと食べているかを確かめるためにだ」
「そんなの記録見れば分かるじゃないですか。今日は賢吾と一緒に食べるんです」
「また“賢吾”か。それは都合がいい。職場での様子を伺うとしよう」
嫌がらせとしか思えない。賢吾の名前を出した途端、表情が穏やかじゃなくなるのは何故なのか。
しかも食事に同席して、賢吾にどんな詰問を浴びせるのかと思うと気が気じゃない。
海堂は「ボサボサだな」と言いながら、さっき賢吾に掻き乱された髪を手櫛で整えた。