13年後に再会した幼馴染と愛され生活始めます。
⑤
表情が豊かなのは海堂の方だと美澪は思った。
基本的には無表情なのに、不意に見せる笑顔の破壊力たるや……。ここのナースたちは慣れているのか、綾瀬が海堂について美澪からの質問以上の話をしたことはない。
「あっ、汚いですよ。私、お風呂にも入ってないんですから」
「そんなの当たり前じゃないか。今晩から短時間のシャワー浴を許可する。個室のシャワールームを使うといい」
髪を触られただけで心臓が早鐘を打つ。賢吾には髪を触られても、例え抱きしめられたとしてもドキドキしたりしない。
海堂に対してだけ過剰に意識してしまうのは恥ずかしい。
まるで医師と患者以上の何か……甘い関係を期待しているみたいだ。
海堂の行動に他意はないと、美澪は何度も自分に言い聞かせなくてはならなかった。
だって今朝の一件から急に美澪に対する距離感が違っている。これは決して勘違いや自惚ではなく、事実である。
一晩、風呂に入っていない美澪の髪を海堂が掬う。
「別に汚くなんてないじゃないか」海堂はそう言うが、絡まって時折指に引っ掛かる。彼はそれを丁寧に解してくれた。
こんなことをされて平常心でいられる人がこの世にいるとは思えない。
けれど、ここでもし朝と同じ質問をしたところで、海堂も朝と同じ答えしか口にしない気がして何も言わないでおいた。
再び「美澪にだけ」なんて言われれば、今度こそ海堂の目の前で誤魔化せないほど赤面してしまう自信がある。
どことなく機嫌の良さそうな海堂に、今なら朝に話していた答えを教えてもらえるかもしれないと思ったが、昼ごはんを持参した賢吾が来たのでやめた。
基本的には無表情なのに、不意に見せる笑顔の破壊力たるや……。ここのナースたちは慣れているのか、綾瀬が海堂について美澪からの質問以上の話をしたことはない。
「あっ、汚いですよ。私、お風呂にも入ってないんですから」
「そんなの当たり前じゃないか。今晩から短時間のシャワー浴を許可する。個室のシャワールームを使うといい」
髪を触られただけで心臓が早鐘を打つ。賢吾には髪を触られても、例え抱きしめられたとしてもドキドキしたりしない。
海堂に対してだけ過剰に意識してしまうのは恥ずかしい。
まるで医師と患者以上の何か……甘い関係を期待しているみたいだ。
海堂の行動に他意はないと、美澪は何度も自分に言い聞かせなくてはならなかった。
だって今朝の一件から急に美澪に対する距離感が違っている。これは決して勘違いや自惚ではなく、事実である。
一晩、風呂に入っていない美澪の髪を海堂が掬う。
「別に汚くなんてないじゃないか」海堂はそう言うが、絡まって時折指に引っ掛かる。彼はそれを丁寧に解してくれた。
こんなことをされて平常心でいられる人がこの世にいるとは思えない。
けれど、ここでもし朝と同じ質問をしたところで、海堂も朝と同じ答えしか口にしない気がして何も言わないでおいた。
再び「美澪にだけ」なんて言われれば、今度こそ海堂の目の前で誤魔化せないほど赤面してしまう自信がある。
どことなく機嫌の良さそうな海堂に、今なら朝に話していた答えを教えてもらえるかもしれないと思ったが、昼ごはんを持参した賢吾が来たのでやめた。