13年後に再会した幼馴染と愛され生活始めます。

 昼過ぎになり、私服の海堂が迎えに来てくれた。
 くすみブルーのTシャツに、ラフなジャケットとスラックスのセットアップ。スーツまではかっちりしていなくて、それでも清潔感を演出している。
 海堂にとてもよく似合っている。
 これでモテないはずはない。

「退院おめでとう。美澪」
「ありがとうございます。でもおかしいんです。入院費の支払いが……」
「それなら俺が済ませておいた。この部屋に美澪を宛てがったのは俺だからな」
「先生が? でも悪いです」
「遠慮しなくていい。全て俺の自己満なんだから」
 でも……と言おうとした美澪を遮るように背中に手を添えられる。

「相変わらず、甘えることを知らないんだな」
 意味深なセリフに、またしても返事ができなかった。
 海堂に促されるまま病院を出る。
 車まで案内されると、そこには一目で高級車だと分かるSUV車が停められていた。
 ペーパードライバーの美澪とは大違いだ。

 エスコートされて恐る恐る乗り込む。海堂は美澪の荷物を後部座席に乗せてから運転席へと座った。
「じゃあ、行こうか」
 上機嫌の海堂が車を出発させる。
 その横顔に見惚れてしまう。何をしても様になるが、運転している姿がこんなにも絵になるものなのか。窓から差し込む日差しが高い鼻の輪郭をぼかす。眸の色も、室内で見るより明るい茶色だった。
 袖を捲り、上腕が露わになっている。美澪くらい余裕で抱き上げられそうな逞しい腕に釘付けになってしまう。
 どこに目をやっても悔しいほど素敵だ。
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