13年後に再会した幼馴染と愛され生活始めます。
①⓪
蒼士は卒業式の日に、美澪だけには真実を話す決心をしていたのだと言った。
「引っ越しはするけど、その頃はすでに医師になると決めていたから、目標を達成したら迎えに行くと言うつもりだった。けれど、高熱で寝込んでいる美澪に近付きもさせて貰えなかった。俺は体が華奢だったから、それだけで病弱だと思われがちだった。実際には見た目ほど弱くはなかったんだが、引っ越し前だったのもあって風邪が移るといけないから……と母に止められた」
子供には簡単に帰られる距離ではなかった。
本格的に勉強も始めたこともあり、美澪との連絡は諦めたのだと蒼士は言う。
「もっと早くに帰るタイミングはあったけれど、その頃の自分はまだ未熟だった。高校生に上がってから急に成長期が来て、体は急成長を遂げたが、成績はストレートで大学に合格するのが難しいほどだった。こんな状態で、美澪に会ってもカッコつかない。自信を持てる自分になっていなくてはいけなかった」
蒼士がそんなにストイックとは知らなかった。
いつも美澪の陰に隠れて泣いていた。
蒼士もまた、そんな学生時代だったからこそ、変わった自分を見てほしいと思っていたと照れくさそうに言う。
「子供の頃の俺は弱くて、いじめっ子に言い返しもできなかった。虐めの内容が自分の容姿に関することだけではなく、父が母以外の女性と平気で遊ぶ人柄だったから、それも含めて揶揄われてた。母は家庭内を平穏に保つために父の話はしなかったけど、我慢していたのを察していたから、俺は虐めっ子に対して何も言い返さなかった。自分が穏便に済ませないと母が悲しむと思ったから。でも、とても気持ちの消化なんてできなくて、美澪の優しさに甘えることで自分を慰めていたんだ」
子供の頃の本音を聞くのは初めてだ。蒼士は自分の気持ちを話すのが苦手なだけだと思っていたが、そうではなかった。
周りの人を傷つけないための手段だったということか。
でもそれで美澪を頼ってくれていたなら、素直に嬉しいと思った。
「引っ越しはするけど、その頃はすでに医師になると決めていたから、目標を達成したら迎えに行くと言うつもりだった。けれど、高熱で寝込んでいる美澪に近付きもさせて貰えなかった。俺は体が華奢だったから、それだけで病弱だと思われがちだった。実際には見た目ほど弱くはなかったんだが、引っ越し前だったのもあって風邪が移るといけないから……と母に止められた」
子供には簡単に帰られる距離ではなかった。
本格的に勉強も始めたこともあり、美澪との連絡は諦めたのだと蒼士は言う。
「もっと早くに帰るタイミングはあったけれど、その頃の自分はまだ未熟だった。高校生に上がってから急に成長期が来て、体は急成長を遂げたが、成績はストレートで大学に合格するのが難しいほどだった。こんな状態で、美澪に会ってもカッコつかない。自信を持てる自分になっていなくてはいけなかった」
蒼士がそんなにストイックとは知らなかった。
いつも美澪の陰に隠れて泣いていた。
蒼士もまた、そんな学生時代だったからこそ、変わった自分を見てほしいと思っていたと照れくさそうに言う。
「子供の頃の俺は弱くて、いじめっ子に言い返しもできなかった。虐めの内容が自分の容姿に関することだけではなく、父が母以外の女性と平気で遊ぶ人柄だったから、それも含めて揶揄われてた。母は家庭内を平穏に保つために父の話はしなかったけど、我慢していたのを察していたから、俺は虐めっ子に対して何も言い返さなかった。自分が穏便に済ませないと母が悲しむと思ったから。でも、とても気持ちの消化なんてできなくて、美澪の優しさに甘えることで自分を慰めていたんだ」
子供の頃の本音を聞くのは初めてだ。蒼士は自分の気持ちを話すのが苦手なだけだと思っていたが、そうではなかった。
周りの人を傷つけないための手段だったということか。
でもそれで美澪を頼ってくれていたなら、素直に嬉しいと思った。