13年後に再会した幼馴染と愛され生活始めます。
②③
翌日は、二人とも朝から落ち着かなかった。
入籍届を何度も確認し、不備がないかを確かめる。
美澪の体調を過度に心配し、少しでも疲れたりしんどくなった時は無理をしないでと念押しで言われた。
「蒼士、心配し過ぎ。悪阻もないし、平気だよ。そろそろ行こうか」
「海堂美澪になるんだな」
「いよいよって感じだね。挙式も早めてもらわなきゃいけなくなって、忙しいの続くけど、ごめんね」
「幸せなことなのに、謝らなくていい」
玄関でキスをしてから入籍届を提出した。
その後、直ぐに帰宅した蒼士は「ちょっとだけ用事に出てくる」時間を気にしながら出掛けて行った。
こんな日に用事を入れるなんて珍しいとは思っていた。
急用だったのだろうか、いつもならあらかじめスケジュールを教えてくれている。
温かいお茶を淹れ、ゆったりと過ごしていると二時間ほどで蒼士は帰ってきた。
本当にちょっとだけの用事だったらしい。
「美澪、ちょっといい?」
「どうかした?」
「会わせたい人がいるんだ」
「共通の知り合いなんていない……よね」
蒼士が賢吾を連れてくるとも思えないし、賢吾ならサプライズにもならない。
誰だろう……と思っていると、蒼士が一度リビングから出て行き、「さぁ、入って」と腰を屈めて促している。
「え……」
我が目を疑った。
目の前にいるのは本当に、幻ではないのか。後から夢だったなんてオチになれば相当ショックを受ける。
でも、目の前の女の子も、美澪を見て目を限界まで見開いた。
「まま……」
「沙莉……本当に、本当の沙莉なの?」
「ママ……、ママ……会いたかった」
「ママも、沙莉に会いたかった」
駆け寄った沙莉を強く抱きしめる。温かい。これが夢なものか。
沙莉の体温をしっかりと感じる。
長く伸ばした髪にはリボンでハーフアップにしている。ふんわりとしたスカートのワンピースも、沙莉に良く似合っていた。
蒼士はきっと沙莉との再会に相応しいおめかししてから連れてきてくれたのだ。
美澪の腕の中で沙莉は声を上げて泣き出した。
「ずっと寂しかった」
そう言われ、美澪だってずっと沙莉に会いたかったと一緒に泣いた。
大人の都合で振り回し、可哀想な目に遭わせた。
美澪は何度も「ごめんね」と繰り返す。
会えなくなってごめん、連絡できなくてごめん、一緒にいてあげられなくてごめん。
感情の波は次々と襲ってくるのに、言葉にならなくて「ごめん」としか言えなかった。
沙莉は再婚した父と母との間に子供が生まれると放置されるようになり、心細い毎日を過ごしていたのだそうだ。
最初こそ優しかった祖父母も、下の子が生まれると「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」とか、「お姉ちゃんが我慢しなさい」と態度を一変させた。
姉妹の仲はいいわけがなく、かといって、父と新しい母の仲もだんだんと悪くなっていった。
「俺が美澪の元夫に接触した時、向こうは離婚間近だった。後妻との間に生まれた妹は、妻が引き取ると決まったらしいが、父は沙莉を引き取るのを拒んでいた」
「あれだけ、豪語して沙莉を連れて行ったのに?」
「それほど子供が好きってわけじゃないようだな。祖父母も、全面的に子育てに協力しているわけではないし、面倒事に関わるのはごめんだって」
「そんな……それなら、私に連絡くれれば良かったのに」
「それはプライドが許さなかったのだろうな」
「じゃあ、沙莉は……」
入籍届を何度も確認し、不備がないかを確かめる。
美澪の体調を過度に心配し、少しでも疲れたりしんどくなった時は無理をしないでと念押しで言われた。
「蒼士、心配し過ぎ。悪阻もないし、平気だよ。そろそろ行こうか」
「海堂美澪になるんだな」
「いよいよって感じだね。挙式も早めてもらわなきゃいけなくなって、忙しいの続くけど、ごめんね」
「幸せなことなのに、謝らなくていい」
玄関でキスをしてから入籍届を提出した。
その後、直ぐに帰宅した蒼士は「ちょっとだけ用事に出てくる」時間を気にしながら出掛けて行った。
こんな日に用事を入れるなんて珍しいとは思っていた。
急用だったのだろうか、いつもならあらかじめスケジュールを教えてくれている。
温かいお茶を淹れ、ゆったりと過ごしていると二時間ほどで蒼士は帰ってきた。
本当にちょっとだけの用事だったらしい。
「美澪、ちょっといい?」
「どうかした?」
「会わせたい人がいるんだ」
「共通の知り合いなんていない……よね」
蒼士が賢吾を連れてくるとも思えないし、賢吾ならサプライズにもならない。
誰だろう……と思っていると、蒼士が一度リビングから出て行き、「さぁ、入って」と腰を屈めて促している。
「え……」
我が目を疑った。
目の前にいるのは本当に、幻ではないのか。後から夢だったなんてオチになれば相当ショックを受ける。
でも、目の前の女の子も、美澪を見て目を限界まで見開いた。
「まま……」
「沙莉……本当に、本当の沙莉なの?」
「ママ……、ママ……会いたかった」
「ママも、沙莉に会いたかった」
駆け寄った沙莉を強く抱きしめる。温かい。これが夢なものか。
沙莉の体温をしっかりと感じる。
長く伸ばした髪にはリボンでハーフアップにしている。ふんわりとしたスカートのワンピースも、沙莉に良く似合っていた。
蒼士はきっと沙莉との再会に相応しいおめかししてから連れてきてくれたのだ。
美澪の腕の中で沙莉は声を上げて泣き出した。
「ずっと寂しかった」
そう言われ、美澪だってずっと沙莉に会いたかったと一緒に泣いた。
大人の都合で振り回し、可哀想な目に遭わせた。
美澪は何度も「ごめんね」と繰り返す。
会えなくなってごめん、連絡できなくてごめん、一緒にいてあげられなくてごめん。
感情の波は次々と襲ってくるのに、言葉にならなくて「ごめん」としか言えなかった。
沙莉は再婚した父と母との間に子供が生まれると放置されるようになり、心細い毎日を過ごしていたのだそうだ。
最初こそ優しかった祖父母も、下の子が生まれると「お姉ちゃんなんだからしっかりしなさい」とか、「お姉ちゃんが我慢しなさい」と態度を一変させた。
姉妹の仲はいいわけがなく、かといって、父と新しい母の仲もだんだんと悪くなっていった。
「俺が美澪の元夫に接触した時、向こうは離婚間近だった。後妻との間に生まれた妹は、妻が引き取ると決まったらしいが、父は沙莉を引き取るのを拒んでいた」
「あれだけ、豪語して沙莉を連れて行ったのに?」
「それほど子供が好きってわけじゃないようだな。祖父母も、全面的に子育てに協力しているわけではないし、面倒事に関わるのはごめんだって」
「そんな……それなら、私に連絡くれれば良かったのに」
「それはプライドが許さなかったのだろうな」
「じゃあ、沙莉は……」