13年後に再会した幼馴染と愛され生活始めます。

②⑤

 緊張しっぱなしの初日だったが、沙莉は少しずつ今のマンションにも慣れていった。
 美澪でさえ、今までと全くレベルの違う環境に戸惑った。それに比べれば子供の順応性はとても優れている。最初こそ、蒼士をパパと呼ぶのも気を遣って言っている節があったが、それも直ぐに自然になった。
 蒼士が陰でガッツポーズをしていたのを美澪は知っている。
 蒼士もまた、沙莉が懐いてくれるか心配していたようだ。

 美澪は幸い悪阻のないまま過ごせているので、結婚式に向けての準備も順調に進んでいった。
 ドレスの試着の際に、沙莉のドレスも試着させてもらう。
 沙莉は「お姫様になったみたい」と鏡の前から離れなかった。
「他にもいっぱい着てみてくださいね。お姫様」
 担当者の粋な計らいに、沙莉姫はあれもこれも着ては感嘆のため息を溢していた。

 蒼士には、二人のドレス姿は当日まで秘密にしているが、隠し事ができない沙莉は、自分がどんなドレスを着るか、身振り手振りで伝えてしまった。

 挙式当日は、二人のドレス姿に蒼士は式が始まる前から感涙してしまい、沙莉に笑われていた。
「二人とも、世界で一番可愛い。俺だけの美澪と沙莉だ」
「パパもかっこいいよ」
「ありがとう、沙莉。じゃあ、行こうか」

 教会のドアが開くと、三人並んでバージンロードを一歩を踏み出す。
 身内だけの挙式にしたのは、色々とあった家族だから、みんなで幸せを噛み締めたかったから。
 色んな荒波に呑まれてきたけど、今、凄く幸せだと伝えたかったから。

 新しい命を宿した美澪は、沙莉を出産した時とは環境も気持ちも全く違っていた、。今度は不安も何もない。全力で愛そうと思える。
 沙莉に感じていた罪悪感も、全て払拭できるような毎日にしたい。

「ねぇ、蒼士。私も、守りたい人が沢山出来たよ」
 見詰め合い、キスを交わす。
 
「生涯、愛することを誓います」
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