冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

第10話 真実の告白


週末の朝。私は、今日こそ湊にすべてを問うと決心していた。

契約のこと。そして、彼の本当の気持ちを。

朝食の準備をしながら何度も深呼吸を繰り返すが、こわばった指先と早鐘を打つ鼓動までは誤魔化せない。

「おはよう」

湊がリビングに現れた。

「おはようございます」

平静を装いながら、私はコーヒーを淹れる。

「今日は午前中、少し会社に寄ってくる。午後には戻るから」

いつも通り優しい笑みを浮かべる彼に、私は意を決して告げた。

「あの……今夜、お話したいことがあるんです」

一瞬、湊の表情が強張ったように見えた。けれど、彼はすぐに穏やかな顔に戻る。

「……わかった。今夜、ゆっくり話そう」

そう言って、湊は家を出て行った。



一人になると、私は落ち着かない心を鎮めるように掃除を始めた。

リビング、キッチン、自分の部屋。そして――湊の書斎。

普段は入らないようにしているけれど、今日は掃除機をかけるために入った。

「お邪魔します……」

そこは、余計なものは一切ない、整然とした空間が広がっていた。

大きなデスクや本棚が並ぶ中、掃除機をかけていると、本棚の下段に横たえられた古い革張りのアルバムが目に留まった。

アルバム……湊の、昔の写真だろうか。彼は、どんな子どもだったのだろう。

勝手に見てはいけないと、分かっている。だけど、湊のことをもっと知りたい。

その気持ちが、私の手を動かした。

掃除機を止め、吸い寄せられるように手に取った一冊は、革張りの重厚な装丁。

ページを開いた瞬間、世界から音が消えた。

「……え?」
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