冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約

第11話 新たな誓い


三月十三日、金曜日。真実を知り、契約書を破り捨ててから一ヶ月。

私たちは本当の夫婦として、穏やかで幸福な日々を積み重ねていた。

「紗良」

「はい?」

「明日のデート、九時に家を出るから」

今朝、家を出る前に湊からそう告げられた。

照れたように視線を逸らす彼の表情は、窓から差し込む早春の光よりも温かかった。

「わかりました。楽しみにしていますね」

明日はホワイトデー。湊と、両想いになって初めてのデート。

彼は一体、どこに連れて行ってくれるんだろう。



翌朝、三月十四日。興奮からか、六時には目が覚めてしまった。

私はベッドから起き上がり、クローゼットを開ける。

「何を着ていこうかな」

湊に少しでも可愛いと思ってもらいたくて、真剣に悩む。

悩み抜いた末、クリーム色のニットに、桜色のフレアスカートを選んだ。

上品だけど、堅苦しくない。柔らかな陽光に映える、春らしい装い。

髪は軽く巻いてハーフアップに。メイクは、いつもより少しだけ丁寧に。

時計を見ると、八時半。リビングに向かうと、湊はすでに準備を終えていた。
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