冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
エピローグ
夕暮れ時。披露宴を終えた私たちは、タワーマンションに戻った。
普段着に着替えてテラスに出ると、湊が水やりをしていた。
「あなた、もしかして庭師の血が騒ぐの?」
私が声をかけると、湊が振り返って微笑んだ。
「ああ。父から受け継いだものだ」
湊が、私の指先をそっと絡めた。
「でも今は、お前という花を育てている」
「もう、またそんなこと言って」
頬が一瞬で熱くなる。
「ほら」
湊が、庭の一角を指差す。
「この花を見てくれ」
そこには、小さな白い花が咲いていた。可憐な、五枚の花びら。
「これ……」
「いちごの花だ」
湊が目を細める。
「お前の好きな」
私の心臓が、大きく跳ねる。