冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
第6話 心の距離
十二月下旬の週末。私は湊に誘われて、銀座へ出かけることになった。
「どこへ行くんですか?」
朝食を終えた私が尋ねると、湊は謎めいた微笑を浮かべた。
「お前の服を選びに行く」
「私の服?」
「ああ。年始に取引先との社交パーティーがある」
湊が指を絡めてくる。
「同伴者が必要なイベントでね。今年は、お前を連れて行きたい」
「でも、会社の人に知られたら……」
「このパーティーは、会社関係者は参加しない。海外の投資家や取引先のCEOたちが集まる場だ」
なるほど。それなら、会社の人に知られる心配はない。
「お前に、俺の妻として初めて公の場に出てもらう」
湊の瞳が、真剣だった。
「だから、最高に美しい姿でいてほしい」
その言葉に、胸が熱くなる。
湊は、いつも私のことを大切に扱ってくれる。
形だけの結婚なのに。