冷徹CEOと、一夜から始まる溺愛契約
第8話 熱に溶けた本音
一月中旬。新年パーティーから、二週間が経った頃。東京は、厳しい寒さに包まれていた。
朝晩の冷え込みは一段と厳しく、窓ガラスには時折、霜が降りることもある。
会社での日々は変わらず続いていたが、湊の様子が少しおかしいことに気づいた。
いつもより顔色が悪く、咳をすることが多い。
「湊、大丈夫ですか? もしかして、風邪じゃないですか?」
ある朝、私は心配して尋ねた。
「大丈夫だ。少し喉が痛いだけだ」
湊は平然と答えるが、その声はいつもより掠れている。
「無理しないでください。今日は早めに帰ってきてくださいね」
「ああ、わかった」
そう返事をしたものの、その日も湊は遅くまで仕事をしていた。
午後九時を過ぎても帰ってこず、私は心配で何度もスマホを見てしまう。
午後十時過ぎ。ようやく玄関のドアが開く音がした。
「おかえりなさい」
リビングに出ると、湊がふらふらと歩いてくる。
「ただいま……」
その声は、明らかにおかしい。