氷の法医学者と、秘密の共犯になりました

最終話

病院での処置が終わり帰宅したが、私は事件が終わった興奮と腕の痛みで、ほとんど眠れてなかった。

医師には浅い傷だと言われたし、真鍋先輩にも「命に別状がなくてよかった」と何度も念を押された。刑事としては、これくらいの怪我で大げさにするべきではない。

そう思うのに、包帯を見るたび、胸の奥に別の痛みが蘇る。

沢渡先生の震えた手。

白い布に触れた赤を見て、それでも離れなかった指先。

「怖い」と言った声。
「君を失う方が怖い」と言った声。
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