麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
3. 愛とはなんだろう
それから、5日が過ぎた。
相変わらず、モモネリアは何も口にしようとしない。
魂が抜け落ちたように、ベッドの上から窓の外をボーっと眺め一日を過ごしている。
かろうじて、水は一口、二口、飲んでくれるがそれだけだ。
身体は少しずつ痩せ、顔色は悪く、栄養不足なのは明らかだった。このままでは、衰弱してしまう。
リードネストは、モモネリアを心配するあまり、数日寝ていない。
モモネリアが、やつれていくと同時にリードネストもやつれていった。
これ以上、何も口にしない日が続けば、モモネリアはどうなるかわからない。
リードネストは、ズカズカと音を立てて、部屋に勢いよく入ってきた。
ベッドサイドまでくると両膝をつき屈み、枕に背中を預けて座っていたモモネリアの左手を両手で包んだ。
「モモネリア....頼む!何か食べてくれ!でないと、俺は心配で耐えられない。せめて好きなものを教えてくれないか?....食べたいものを、教えてくれ」
眉根を寄せて懇願する顔で、モモネリアの手を両手で握ったまま引き寄せ額にくっつける。
モモネリアとて、まだ若く、生きたくないわけではない。
食べられるものなら、食べたい。
でも、どうしても食べる気が起こらず、口元まで匙を運んではおろしてしまうのだ。