麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
18.イジワルな結婚前夜
いよいよ結婚式を明日に控えた、結婚前夜。
リードネストの邸の大広間は、とても賑やかだった。
今夜は主人たちのはからいで、無礼講だと邸のもの全員で宴を開いている。
リードネストとモモネリア、ローネルや邸の使用人たちが、前夜祭のごとく、ご馳走様を食べ、お酒をのんでいた。
ローネルも、この大広間で宴に参加していたが、何故かリードネストが三時間だけ、と条件を出していた。
三時間したら、自身に与えられた部屋に戻るように、と。
それも、宴が始まって二時間以上経っていたため、残りは一時間足らずだ。
自分もモモネリアたちと楽しく過ごせるこの時間が、残りわずかとなったことに、不満気なローネル。
ブーブー文句を言い始めた。
「全くさ~....どうして僕だけ、あと少しだけなの?みんなまだまだのんで、騒ぐくせにさ。納得いかないよ~....」
ローネルとリードネストに挟まれる形で座っていた明日の主役であるモモネリアは、なんだか、ローネルが可哀想になってしまった。
「......ローネル」
その声にピクリと反応して、ローネルはモモネリアに視線を向けた。
心なしか、瞳が潤んでいる。