麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜

6. 嫉妬とその先の真実


 リードネストは、見えなくなったモモネリアの匂いを頼りに追いかけていた。すると、モモネリアは真っ直ぐ自分の部屋に戻ったようだ。


 .......ここだな。モモネリア....泣いていた。開けてくれるだろうか。



 リードネストは、深呼吸をしてから意を決してドアをノックする。



「......はい」



 少し間があいてから、小さく返事があった。
 心なしか、声が掠れている気がする。



「.....俺だ。リードだ。....入ってもいいか?」



「....リード!?....ちょっと、まって」



 バタバタと足音が聞こえて、ゆっくりドアが開かれた。少し開いた隙間から、モモネリアが上目遣いでのぞいてくる。



 ....か、かわいい。可愛すぎる。



 久しぶりに会えた喜びと、そのなんとも愛らしい庇護欲をかきたてる仕草に、リードネストの胸がぎゅんと掴まれる。無意識に尻尾がブンブン揺れていた。



「....ど、うぞ」



 少し目が赤い。やはり、泣いていたようだ。
 そして、唇をツンと突き出し、何故だか拗ねている空気も感じる。


 気のせいだろうか。

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