御曹司の契約妻が本物の妻として愛されるまで
03 縁談相手は・・・
「千尋、お前に言うか言わまいか悩んだんだが……。実は出資希望の相談があってな。ただ、その条件が、お前を嫁にもらいたいというもので……」
週末を使って数度目の帰省で、私は父から唐突に縁談の話を切り出されていた。
古い家の居間だから、ふすまや障子を閉め切っていても隙間風が入り込んでくる。空調もストーブもコタツもフル稼働だ。
ここに母がいれば、みかんでも持ってくるのだろうが、あいにく母はいないため湯呑だけが目の前に置かれている。
そのお茶に手をつける気も失せてしまい、私は視線を落とした。
「それは、うちのためになる縁談なの……?」
声が、震える。
正直、結婚なんて縁遠い話だ。
だけど、田舎ではよくある話でもある。
そもそも若者が少ないから、ご近所さんたちがせっせと見合い話を持ってくる。
今回は出資絡みだろうからなんとも言えないけれど、私を嫁にと言うほどの人なのだ。よっぽど年を取っているか、性格に難がありすぎて結婚相手が見つからないかのどちらかだろう。
まだ数ヶ月前の私なら、渋々ながらでも飲み込めた。
でもいまは、脳裏に九条さんの顔がちらつく。
週末を使って数度目の帰省で、私は父から唐突に縁談の話を切り出されていた。
古い家の居間だから、ふすまや障子を閉め切っていても隙間風が入り込んでくる。空調もストーブもコタツもフル稼働だ。
ここに母がいれば、みかんでも持ってくるのだろうが、あいにく母はいないため湯呑だけが目の前に置かれている。
そのお茶に手をつける気も失せてしまい、私は視線を落とした。
「それは、うちのためになる縁談なの……?」
声が、震える。
正直、結婚なんて縁遠い話だ。
だけど、田舎ではよくある話でもある。
そもそも若者が少ないから、ご近所さんたちがせっせと見合い話を持ってくる。
今回は出資絡みだろうからなんとも言えないけれど、私を嫁にと言うほどの人なのだ。よっぽど年を取っているか、性格に難がありすぎて結婚相手が見つからないかのどちらかだろう。
まだ数ヶ月前の私なら、渋々ながらでも飲み込めた。
でもいまは、脳裏に九条さんの顔がちらつく。