塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
逆上
「ラシェル、会えてよかった。今、一人か?」
「セヴラン様……」
周囲を見回してラシェル一人であることを確認すると、セヴランはにいっと笑った。その顔は何かを企んでいるようで、背筋がぞくりとする。
もともと苦手な相手だし、先日はセヴランと話していたことでレナルドに嫉妬させてしまった。これ以上彼と一緒にいたくないと、ラシェルは掴まれた腕をなんとか離してもらおうとする。
「あの、急いでいるので離してください」
だがセヴランはそれに耳を貸すことなく更にラシェルの腕を強く握りしめた。あまりの痛みに、思わず顔をしかめてしまう。
「おまえを助けに来たんだよ。あんなやつと一緒にいたって幸せになれないって、おまえだって分かってるだろう」
「どういう意味ですか?」
助けを求めたことなんてないし、もしも困っていたとしてもセヴランに頼るなんて考えられない。だが彼は、真剣な顔でラシェルを見下ろす。
「この前、あいつのラシェルへの対応を見て確信したんだ。おまえの気持ちを無視して自分の気持ちを押しつけるような男からは、今すぐ逃げた方がいい」
「え? 待ってください、言ってる意味が分からな……」
「嫌がるおまえに無理やり迫ったり、話も聞かずに連れ去っただろう。借金のことはおれがなんとかしてやるから、おれのところに来い」
「いえ、先日の件は私にも非があったことですから」
「ほら、そうやって自分が悪いって丸め込まれてることにも気づいていない。このまま、おまえはあいつの言いなりになるつもりか? おれがそんなこと、させない。必ず離縁させてやる」
立て続けにそう言われて、ラシェルは困惑したまま首を横に振った。いずれ離縁を突きつけられるかもしれないが、それはレナルドが決めることだ。
「セヴラン様……」
周囲を見回してラシェル一人であることを確認すると、セヴランはにいっと笑った。その顔は何かを企んでいるようで、背筋がぞくりとする。
もともと苦手な相手だし、先日はセヴランと話していたことでレナルドに嫉妬させてしまった。これ以上彼と一緒にいたくないと、ラシェルは掴まれた腕をなんとか離してもらおうとする。
「あの、急いでいるので離してください」
だがセヴランはそれに耳を貸すことなく更にラシェルの腕を強く握りしめた。あまりの痛みに、思わず顔をしかめてしまう。
「おまえを助けに来たんだよ。あんなやつと一緒にいたって幸せになれないって、おまえだって分かってるだろう」
「どういう意味ですか?」
助けを求めたことなんてないし、もしも困っていたとしてもセヴランに頼るなんて考えられない。だが彼は、真剣な顔でラシェルを見下ろす。
「この前、あいつのラシェルへの対応を見て確信したんだ。おまえの気持ちを無視して自分の気持ちを押しつけるような男からは、今すぐ逃げた方がいい」
「え? 待ってください、言ってる意味が分からな……」
「嫌がるおまえに無理やり迫ったり、話も聞かずに連れ去っただろう。借金のことはおれがなんとかしてやるから、おれのところに来い」
「いえ、先日の件は私にも非があったことですから」
「ほら、そうやって自分が悪いって丸め込まれてることにも気づいていない。このまま、おまえはあいつの言いなりになるつもりか? おれがそんなこと、させない。必ず離縁させてやる」
立て続けにそう言われて、ラシェルは困惑したまま首を横に振った。いずれ離縁を突きつけられるかもしれないが、それはレナルドが決めることだ。