塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました
近くて遠い距離感
初夜を終えても、二人の関係は何も変わることはなかった。あの夜以降、レナルドはラシェルを抱こうとしないし、距離を置かれているような気すらする。
だが、冷遇されているかというと、そういうわけでもない。会話はないものの食事は一緒だし、夜も同じベッドで眠っている。もちろんレナルドがラシェルに触れることはなく、ただ二人で並んで眠るだけだが。ベッドは広いので、お互いが離れて横になっても、充分寝返りをうてるくらいに余裕があるのだ。
ほとんど会話もなく、就寝の挨拶だけしてお互い横になる。手を伸ばせばレナルドに届くけれど、触れることはできない。近くて遠いその距離を自覚するたびに、ラシェルの胸の奥は、きゅうっと苦しくなる。
だからラシェルは、レナルドに背を向けて眠ることにしている。朝になって目が覚めた時は、いつもベッドに一人だ。彼は早起きして鍛錬をしているので、一緒に朝を迎えることはほとんどないのだ。レナルドにとってはただ単に、夫婦で一緒に眠っているという事実だけが大事なのだろう。
そんな寂しい日々を送っているが、屋敷の皆はラシェルにとても親切だ。初夜以降、レナルドがラシェルを抱いていないことは知られているだろうが、誰も何も言わない。初夜には抱かれたので、もしかしたら子種が実を結んでいるかもしれない。だから、妊娠の有無がはっきりするまではレナルドは次の行為をするつもりがないのだということにしている。
まさに『形だけの夫婦』そのままといった感じだ。レナルドはラシェルにそれを望んだわけだし、もっと良好な関係を築きたいと願うことはできない。少し切ない気持ちはあるものの、彼のそばにいられるならそれでいいとラシェルは自分に言い聞かせている。
「ラシェル、このあと少し時間をもらえるか」
だが、冷遇されているかというと、そういうわけでもない。会話はないものの食事は一緒だし、夜も同じベッドで眠っている。もちろんレナルドがラシェルに触れることはなく、ただ二人で並んで眠るだけだが。ベッドは広いので、お互いが離れて横になっても、充分寝返りをうてるくらいに余裕があるのだ。
ほとんど会話もなく、就寝の挨拶だけしてお互い横になる。手を伸ばせばレナルドに届くけれど、触れることはできない。近くて遠いその距離を自覚するたびに、ラシェルの胸の奥は、きゅうっと苦しくなる。
だからラシェルは、レナルドに背を向けて眠ることにしている。朝になって目が覚めた時は、いつもベッドに一人だ。彼は早起きして鍛錬をしているので、一緒に朝を迎えることはほとんどないのだ。レナルドにとってはただ単に、夫婦で一緒に眠っているという事実だけが大事なのだろう。
そんな寂しい日々を送っているが、屋敷の皆はラシェルにとても親切だ。初夜以降、レナルドがラシェルを抱いていないことは知られているだろうが、誰も何も言わない。初夜には抱かれたので、もしかしたら子種が実を結んでいるかもしれない。だから、妊娠の有無がはっきりするまではレナルドは次の行為をするつもりがないのだということにしている。
まさに『形だけの夫婦』そのままといった感じだ。レナルドはラシェルにそれを望んだわけだし、もっと良好な関係を築きたいと願うことはできない。少し切ない気持ちはあるものの、彼のそばにいられるならそれでいいとラシェルは自分に言い聞かせている。
「ラシェル、このあと少し時間をもらえるか」