塩対応だった旦那様が記憶喪失になったら、執着溺愛して離してくれなくなりました

二度目の夜

「ラシェル……」

 囁くように名前を呼びながら、レナルドはゆっくりとラシェルの寝衣に手を伸ばした。

 恥ずかしさに身を縮めようとしたら、レナルドの腕がそれを止めた。

「すごく、綺麗だ」

「あんまり、見ないでください……」

「それは無理だな。ラシェルの全てを目に焼きつけたいんだ」

 ラシェルの懇願を聞き流して、レナルドは剝き出しになった肩をそっと撫でた。それだけで、ラシェルはぴくんと身体を震わせてしまう。

 レナルドはラシェルの胸元に唇を押し当てた。肌に吐息がかかってぴくりと肩を弾ませた瞬間、ちくりと小さな痛みを覚える。思わず視線を向けると、白い肌に赤い痕が浮かび上がっていた。

「これは、ラシェルが俺のものだという印」

「……っ」

 指先で赤い痕を満足げになぞって、レナルドが口角を上げる。独占欲を感じさせる言葉に、胸が痛いほどに高鳴った。

「もっとたくさん、つけておこうか。俺がどれほどラシェルを愛しているか、伝わるように」

 強く肌を吸われると、それだけで背筋がぞくりとする。

 ベッドの上に横になっているだけなのに、呼吸はどんどん速くなっていくし、耳元で響く鼓動がうるさいほどだ。

 初めて抱かれた時とは自分の身体が示す反応が違いすぎて、戸惑ってしまう。

 荒い吐息とともに声が漏れてしまい、それを堪えるためにラシェルは唇を強く噛みしめていた。

 いつの間にかレナルドも服を脱いでいることに気づくが、微かに汗ばんだ肌がとても色っぽくて目のやり場に困ってしまう。

 首筋にかかった吐息にまた声を漏らせば、小さな笑い声と共に今度は頬に口づけられた。

「ラシェル、愛してる」

「……っ」
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