元恋人と、今日から同僚です
第20話 みんな、知ってた
プロジェクトが軌道に乗り始めた頃。
私と朝倉の関係は、編集部内で公然の秘密になっていた。
いや、秘密ですらなかったのかもしれない。
二人で話していると、周囲が微笑ましそうな目で見ている。
一緒に帰る時、同僚から「お疲れ様」と意味深に言われる。
隠しているつもりだった。が、バレバレだったのだ。
ある日の昼休み。
藤堂さんに呼ばれて、デスクに向かった。
「結城さん、ちょっといい?」
「はい、何でしょう」
「最近、朝倉くんと仲いいよね」
直球だった。
心臓が跳ねる。
「え、あの——」
「いいのいいの。怒ってるわけじゃないから」
藤堂さんが、にこにこ笑っている。
「付き合ってるの?」
「……はい」
観念して、答えた。
「やっぱりね。みんな言ってたんだ、『あの二人、絶対付き合ってる』って」
「バレてましたか」
「バレバレだよ。二人とも、顔に出すぎ」
恥ずかしい。
隠し通せていると思っていたのは、自分たちだけだったらしい。
「実は、元恋人なんです。五年前に別れて、最近また……」
「へえ、そうなんだ。ロマンチックね」
藤堂さんが、楽しそうに言った。
「で、仕事には影響ないの?」
「ないようにしています。仕事中は、プライベートを持ち込まないって決めてます」
「ならいいけど。何かあったら、相談してね」
「ありがとうございます」
意外とあっさり受け入れてもらえた。
というか、隠せてなかったのか……
私と朝倉の関係は、編集部内で公然の秘密になっていた。
いや、秘密ですらなかったのかもしれない。
二人で話していると、周囲が微笑ましそうな目で見ている。
一緒に帰る時、同僚から「お疲れ様」と意味深に言われる。
隠しているつもりだった。が、バレバレだったのだ。
ある日の昼休み。
藤堂さんに呼ばれて、デスクに向かった。
「結城さん、ちょっといい?」
「はい、何でしょう」
「最近、朝倉くんと仲いいよね」
直球だった。
心臓が跳ねる。
「え、あの——」
「いいのいいの。怒ってるわけじゃないから」
藤堂さんが、にこにこ笑っている。
「付き合ってるの?」
「……はい」
観念して、答えた。
「やっぱりね。みんな言ってたんだ、『あの二人、絶対付き合ってる』って」
「バレてましたか」
「バレバレだよ。二人とも、顔に出すぎ」
恥ずかしい。
隠し通せていると思っていたのは、自分たちだけだったらしい。
「実は、元恋人なんです。五年前に別れて、最近また……」
「へえ、そうなんだ。ロマンチックね」
藤堂さんが、楽しそうに言った。
「で、仕事には影響ないの?」
「ないようにしています。仕事中は、プライベートを持ち込まないって決めてます」
「ならいいけど。何かあったら、相談してね」
「ありがとうございます」
意外とあっさり受け入れてもらえた。
というか、隠せてなかったのか……