元恋人と、今日から同僚です
第5話 答えは、もう決まっている
週が明け、月曜日の朝。
私は重い足取りで出社した。
金曜の夜のことが、頭から離れない。
エレベーターホールでの会話。朝倉の真剣な目。「俺は待ってる」という言葉。
土日の間、ずっとそればかり考えていた。
結論は出なかった。
いや、出ていたのかもしれない。ただ、それを認めたくなかっただけで。
編集部に入ると、朝倉はもう席についていた。
目が合い、朝倉が軽く会釈する。私も、形だけ頭を下げた。
それだけ。いつも通りの、素っ気ないやり取り。
だけど、やっぱり違う。
金曜の夜を経て、何かが変わってしまった気がする。
◇
午前中は、淡々と仕事をこなした。
朝倉との会話は、必要最低限の業務連絡だけ。
朝倉も、それ以上踏み込んでこなかった。
昼休み、宮本が声をかけてきた。
「真帆さん、顔色悪いですよ」
「……寝不足」
「また悩んでるんですか。朝倉さんのこと」
図星すぎて、返す言葉がない。
「……まあね」
「進展あったんですか?」
進展。そう言えるのかどうか。
「……金曜の夜、少し話した。ちゃんと話し合いたいって言われた。また」
「で、どうしたんですか」
「断った。というか、うやむやにした」
宮本が小さくため息をつく。
「真帆さん、いつまで逃げるつもりですか」
「逃げてるわけじゃ??」
「誰が見てもわかりますよ」
はっきり言われて、黙る。
宮本は後輩だけど、こういう時は遠慮しない。
それは、ありがたいんだけど、容赦なく踏み込んでくる。
「話し合うのが怖いんでしょうけど。
でも、このままじゃ何も変わらないですよ?」
「変わらなくていいの。変える必要がない」
「本当に?」
宮本がじっと私を見る。
「本当にそう思ってるなら、そんな顔しないと思いますけど」
返事ができなかった。
私は重い足取りで出社した。
金曜の夜のことが、頭から離れない。
エレベーターホールでの会話。朝倉の真剣な目。「俺は待ってる」という言葉。
土日の間、ずっとそればかり考えていた。
結論は出なかった。
いや、出ていたのかもしれない。ただ、それを認めたくなかっただけで。
編集部に入ると、朝倉はもう席についていた。
目が合い、朝倉が軽く会釈する。私も、形だけ頭を下げた。
それだけ。いつも通りの、素っ気ないやり取り。
だけど、やっぱり違う。
金曜の夜を経て、何かが変わってしまった気がする。
◇
午前中は、淡々と仕事をこなした。
朝倉との会話は、必要最低限の業務連絡だけ。
朝倉も、それ以上踏み込んでこなかった。
昼休み、宮本が声をかけてきた。
「真帆さん、顔色悪いですよ」
「……寝不足」
「また悩んでるんですか。朝倉さんのこと」
図星すぎて、返す言葉がない。
「……まあね」
「進展あったんですか?」
進展。そう言えるのかどうか。
「……金曜の夜、少し話した。ちゃんと話し合いたいって言われた。また」
「で、どうしたんですか」
「断った。というか、うやむやにした」
宮本が小さくため息をつく。
「真帆さん、いつまで逃げるつもりですか」
「逃げてるわけじゃ??」
「誰が見てもわかりますよ」
はっきり言われて、黙る。
宮本は後輩だけど、こういう時は遠慮しない。
それは、ありがたいんだけど、容赦なく踏み込んでくる。
「話し合うのが怖いんでしょうけど。
でも、このままじゃ何も変わらないですよ?」
「変わらなくていいの。変える必要がない」
「本当に?」
宮本がじっと私を見る。
「本当にそう思ってるなら、そんな顔しないと思いますけど」
返事ができなかった。