元恋人と、今日から同僚です
第9話 あの日の言葉
数日が経った。
写真のセレクトが終わり、レイアウト作業に入っている。
デザイナーと何度も打ち合わせながら、細かい修正の繰り返し。
地味だけど、大事な工程だ。
朝倉は相変わらず、真面目に仕事をこなしていた。
私が指示を出せば、的確に動く。
わからないことがあれば、すぐに質問してくる。
一緒に仕事をすることに、少しずつ慣れてきた。
最初の頃のような緊張感は薄れ、今では連帯感もでてきている。
それが、いいことなのかどうか。
自分でも、わからなかった。
◇
撮影から約一週間。木曜日の昼休み。
宮本に誘われて、近くのカフェでランチを取っていた。
「真帆さん、最近どうですか?」
「どうって?」
「朝倉さんとのこと」
また、その話か。
宮本は、あの日以来、定期的に私の様子を探ってくる。
心配してくれているのはわかるけど、正直、しんどい。
「普通だよ。企画も順調に進んでるし」
「そうじゃなくて」
「仕事以外に何もないでしょ」
宮本が、じっと私を見る。
「本当ですか?」
「本当」
「……真帆さん、嘘つくの、本当に下手ですね」
返す言葉がなかった。
「別に嘘じゃないよ。仕事以外の話は、してないし」
「話してないだけで、考えてはいるんでしょ」
はい。その通り。図星です。
この子は本当に痛いところを突いてくる。
考えている。毎日、考えている。
朝倉のこと。五年前のこと。自分の気持ち。
考えすぎて、ここ最近、眠りが浅い。
「ちょっと、だけどね」
「ちょっと?」
「かなり……」
正直に言うと、宮本が苦笑した。
「で、何を考えてるんですか」
「別れた時のこと」
自分でも意外なくらい、すんなり口に出た。
宮本が、少し驚いた顔をする。
「五年前のことを思い出してる。どうして別れたのか」
「……何かわかりました?」
「わからない。でも、昔とは、朝倉の見え方が、違う……?」
何かが違う。
うまく説明できないけど、そんな感覚があった。
その何かがずっと胸の奥に引っかかっていた。
写真のセレクトが終わり、レイアウト作業に入っている。
デザイナーと何度も打ち合わせながら、細かい修正の繰り返し。
地味だけど、大事な工程だ。
朝倉は相変わらず、真面目に仕事をこなしていた。
私が指示を出せば、的確に動く。
わからないことがあれば、すぐに質問してくる。
一緒に仕事をすることに、少しずつ慣れてきた。
最初の頃のような緊張感は薄れ、今では連帯感もでてきている。
それが、いいことなのかどうか。
自分でも、わからなかった。
◇
撮影から約一週間。木曜日の昼休み。
宮本に誘われて、近くのカフェでランチを取っていた。
「真帆さん、最近どうですか?」
「どうって?」
「朝倉さんとのこと」
また、その話か。
宮本は、あの日以来、定期的に私の様子を探ってくる。
心配してくれているのはわかるけど、正直、しんどい。
「普通だよ。企画も順調に進んでるし」
「そうじゃなくて」
「仕事以外に何もないでしょ」
宮本が、じっと私を見る。
「本当ですか?」
「本当」
「……真帆さん、嘘つくの、本当に下手ですね」
返す言葉がなかった。
「別に嘘じゃないよ。仕事以外の話は、してないし」
「話してないだけで、考えてはいるんでしょ」
はい。その通り。図星です。
この子は本当に痛いところを突いてくる。
考えている。毎日、考えている。
朝倉のこと。五年前のこと。自分の気持ち。
考えすぎて、ここ最近、眠りが浅い。
「ちょっと、だけどね」
「ちょっと?」
「かなり……」
正直に言うと、宮本が苦笑した。
「で、何を考えてるんですか」
「別れた時のこと」
自分でも意外なくらい、すんなり口に出た。
宮本が、少し驚いた顔をする。
「五年前のことを思い出してる。どうして別れたのか」
「……何かわかりました?」
「わからない。でも、昔とは、朝倉の見え方が、違う……?」
何かが違う。
うまく説明できないけど、そんな感覚があった。
その何かがずっと胸の奥に引っかかっていた。