元恋人と、今日から同僚です
第10話 同じ轍
特集の入稿が近づいていた。
来週の月曜日が締め切り。残り五日。
スケジュールは順調だったはずなのに、ここにきてトラブルが発生した。
「読者モデルのビフォーアフター、撮り直しになりました」
金曜日の朝。朝倉からの報告に、私は頭を抱えた。
「撮り直し? なんで」
「肌の状態があまり変わらなかったみたいで。
一ヶ月ケアしても、目に見える変化が出なかったと」
「……それ、致命的じゃない」
ビフォーアフター企画は、今回の特集の目玉だった。
実際の読者にスキンケアを試してもらい、変化を写真で見せる。
リアリティがあって、読者の反応がいいはずだった。
それが、「変化がなかった」では意味がない。
「撮り直しって言っても、もう時間ないでしょ?」
「はい。今から別の読者を探すのは、厳しいと思います」
「じゃあ、どうするの」
朝倉が、少し間を置いて言った。
「企画自体を、変更するしかないんじゃないですか」
「変更?」
「ビフォーアフターをやめて、別のコンテンツに差し替える」
それは、簡単なことじゃない。
企画の構成を変えれば、レイアウトも変わる。
デザイナーとの調整、ライターにも追加で原稿を依頼しなければならない。
入稿まで五日。できなくはないけど、かなり厳しいスケジュールになる。
「……他に方法は」
「強行するなら、嘘をつくことになります。変化がないのに、あったように見せる」
それは、できない。
読者を騙すような記事は、絶対に書きたくない。
「わかった。差し替えの方向で考える」
そう言いながら、内心は焦っていた。
どうする。何を入れる……?
とにかく、時間がない。
来週の月曜日が締め切り。残り五日。
スケジュールは順調だったはずなのに、ここにきてトラブルが発生した。
「読者モデルのビフォーアフター、撮り直しになりました」
金曜日の朝。朝倉からの報告に、私は頭を抱えた。
「撮り直し? なんで」
「肌の状態があまり変わらなかったみたいで。
一ヶ月ケアしても、目に見える変化が出なかったと」
「……それ、致命的じゃない」
ビフォーアフター企画は、今回の特集の目玉だった。
実際の読者にスキンケアを試してもらい、変化を写真で見せる。
リアリティがあって、読者の反応がいいはずだった。
それが、「変化がなかった」では意味がない。
「撮り直しって言っても、もう時間ないでしょ?」
「はい。今から別の読者を探すのは、厳しいと思います」
「じゃあ、どうするの」
朝倉が、少し間を置いて言った。
「企画自体を、変更するしかないんじゃないですか」
「変更?」
「ビフォーアフターをやめて、別のコンテンツに差し替える」
それは、簡単なことじゃない。
企画の構成を変えれば、レイアウトも変わる。
デザイナーとの調整、ライターにも追加で原稿を依頼しなければならない。
入稿まで五日。できなくはないけど、かなり厳しいスケジュールになる。
「……他に方法は」
「強行するなら、嘘をつくことになります。変化がないのに、あったように見せる」
それは、できない。
読者を騙すような記事は、絶対に書きたくない。
「わかった。差し替えの方向で考える」
そう言いながら、内心は焦っていた。
どうする。何を入れる……?
とにかく、時間がない。