元恋人と、今日から同僚です
第12話 距離を置きたい
打ち上げの翌日。
私は、朝から頭がぼんやりしていた。
二日酔いではない。そこまでは飲んでいない。
ただ、昨夜のことが頭から離れなくて、よく眠れなかった。
「今度は、逃げない」
「俺は待ってるから」
朝倉の言葉が、何度もリピートする。
嬉しいはずなのに、怖い。
受け止めきれない、という感覚。
出社して、席に着く。
朝倉は、もう来ていた。目が合って、軽く会釈される。
「おはようございます」
「……おはよう」
普通に挨拶を交わす。
昨夜のことは、なかったことになっている。
わけではないだろうけど、朝倉は何も言ってこない。
待つと言った通り、急かさないつもりなんだろう。
◇
午前中、特集の校正刷りが届いた。
印刷所から上がってきた試し刷り。
最終チェックのために、目を通す必要がある。
「結城さん、校正刷り、見ますか」
「うん、持ってきて」
朝倉が、校正刷りを私のデスクに持ってきた。
距離が近い。
いつもと同じ距離なのに、やけに意識してしまう。
「……ありがとう」
「チェック、一緒にやりましょうか?」
「いい。一人でやる」
断ると、朝倉が少し驚いた顔をした。
いつもなら、一緒に確認している。
それを断るのは、不自然だ。
「……わかりました」
朝倉が、自分の席に戻る。
その背中を見ながら、自己嫌悪に陥った。
なんで、こんな態度を取ってしまうんだろう。
朝倉は何も悪くない。
それなのに、私は距離を取ろうとしている。
私は、朝から頭がぼんやりしていた。
二日酔いではない。そこまでは飲んでいない。
ただ、昨夜のことが頭から離れなくて、よく眠れなかった。
「今度は、逃げない」
「俺は待ってるから」
朝倉の言葉が、何度もリピートする。
嬉しいはずなのに、怖い。
受け止めきれない、という感覚。
出社して、席に着く。
朝倉は、もう来ていた。目が合って、軽く会釈される。
「おはようございます」
「……おはよう」
普通に挨拶を交わす。
昨夜のことは、なかったことになっている。
わけではないだろうけど、朝倉は何も言ってこない。
待つと言った通り、急かさないつもりなんだろう。
◇
午前中、特集の校正刷りが届いた。
印刷所から上がってきた試し刷り。
最終チェックのために、目を通す必要がある。
「結城さん、校正刷り、見ますか」
「うん、持ってきて」
朝倉が、校正刷りを私のデスクに持ってきた。
距離が近い。
いつもと同じ距離なのに、やけに意識してしまう。
「……ありがとう」
「チェック、一緒にやりましょうか?」
「いい。一人でやる」
断ると、朝倉が少し驚いた顔をした。
いつもなら、一緒に確認している。
それを断るのは、不自然だ。
「……わかりました」
朝倉が、自分の席に戻る。
その背中を見ながら、自己嫌悪に陥った。
なんで、こんな態度を取ってしまうんだろう。
朝倉は何も悪くない。
それなのに、私は距離を取ろうとしている。